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ご希望の2冊について、じっくり解説しますね。どちらも「本」とは何か、「本屋」とはどうあるべきか、という出版文化の根っこに迫る洞察に満ちています。
1. 小林昌樹『立ち読みの歴史』
概要と狙い
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著者・小林昌樹さんは、国立国会図書館でレファレンス歴15年、出版史を専門とする研究者。近代出版研究所の主宰でもあり、『調べる技術(2022)』の著者でもあります。早川書房ライフハッカー・ジャパン
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本書『立ち読みの歴史』は、私たちの日常にすっかり定着した「立ち読み」を、その起源から現在まで丹念にたどった“読者側”からの出版史です。早川書房早川オンライン
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書棚や立ち読みやコミックのシュリンクなど、当たり前の行為の裏にある歴史を掘り、読者という主体の成立を描く研究です。早川書房好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
注目のエピソード・洞察
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江戸時代は「蔵に本をしまい、店員が出す」仕組みで、現在のように棚から自由に本を取る「開架」販売は存在しませんでした。立ち読みは物理的にも文化的にも成立しなかったのです。早川書房ライフハッカー・ジャパン
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洋装本の普及や雑誌の登場、リテラシーの拡大などが重なり、本屋の販売方法・書棚のあり方が変化し、読者が「自由に手に取って読む」という行為が生まれました。早川書房好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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著者自身も語るように、この本の前書き自体、「立ち読み」を批評するというユーモアが仕込まれていて、「あなたが今この本を読むのが店頭であるならば…」と読者を巻き込む形になっています。早川書房
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また朝日新聞でも紹介され、「立ち読みでこそ未知の本や文献にぶつかることができる。ネット検索では見つからない面白さに出会える」との読書の力を称えるコメントもありました。好書好日
業界的雑学
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著者はレファレンスのプロとして、人が知らない情報を掘り起こす「調べる技術」に精通。この本はその実践編とされる構造的な成果です。早川書房
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「立ち読み」自体を切り口にして出版史をリライトするアプローチは、従来の“書き手・流通側”中心の視点を転換するものであり、出版研究の新しい潮流として注目されています。
2. 飯田一史『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』
概要とアプローチ
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著者・飯田一史さんが、戦後以降の日本の書店(特に町の本屋)に焦点をあて、流通構造や政治との関わり、本屋の抗争史をテーマ別に描いた一冊です。平凡社版元ドットコム
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「書店がつぶれていく」背景にはネット・スマホ以前からの構造的問題があり、単に“書籍が売れないからではない”という点に注目しています。note(ノート)JBpress(日本ビジネスプレス)
注目のエピソード・洞察
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1980年代以前から中小書店は赤字状態で、低マージン・薄利で経営が困難だったという事実が紹介されています。note(ノート)
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書店と取次・出版社・公正取引委員会との間には、運賃負担・定価販売・返品といった様々な抗争があり、本屋が戦い続けてきた歴史が赤裸々に描かれています。平凡社note(ノート)版元ドットコム
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2000年代以降、ネット書店や大型チェーン、コンビニ進出、図書館流通の浸透などにより、町の本屋の地盤が揺らいできた流れも分析されています。平凡社note(ノート)版元ドットコム
業界的雑学
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著者自身がnoteに「企画立案時には書店・取次・出版社それぞれに忖度しないで本音で書くのは難しい」と述べており、非常に正面から構造と向き合って書かれた実践派であることがわかります。note(ノート)
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また、現代では「町に本屋がない自治体」が増えており、1990年代までは町村の31%が書店も図書館もないという状況だった点も衝撃的です。note(ノート)
比較表 / それぞれの位置づけ
著作名 | 著者 | 主題・アプローチ | 注目点・雑学 |
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『立ち読みの歴史』 | 小林昌樹 | 読者行動「立ち読み」の誕生と進化を追う出版文化史 | 江戸〜明治の販売方式の変化、「読者」という主体の成立を描く調査力 |
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』 | 飯田一史 | 戦後から現代にかけての書店流通構造と抗争の歴史 | 町の本屋の衰退の構造分析、現場の“恨み節”まで書いた書店経営視点 |
どちらの書も、「何となく当たり前」と思っている文化や商業背景を、地味だけど深く丁寧に掘り下げてくれる本です。
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読者として、本と出会う場所/営み(=立ち読み)がどう成立したのか知りたいなら 小林昌樹。
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ビジネス・流通・書店存続の危機について構造的に知りたいなら 飯田一史。
もし気になる切り口(例:「シュリンクパックの導入史」や「定価販売と公取の攻防」など)があれば、さらに深掘りできます!お気軽にどうぞ。
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