はい、別物です。
コリン・ウィルソンの**アウトサイダーと、映画のアウトサイダー**(原作はアウトサイダーズ)は、タイトルは似ていますが、内容はまったく異なります。
コリン・ウィルソン『アウトサイダー』とは?
1956年に、当時24歳だったイギリスの作家・思想家 コリン・ウィルソン が発表した哲学・文学評論です。


コリン・ウィルソン
| その他の同名の人物については「コリン・ウィルソン (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
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コリン・ウィルソン
Colin Wilson |
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1984年撮影 |
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| 生誕 | 1931年6月26日 イングランド、レスター |
| 死没 | 2013年12月5日(82歳没) イングランド、コーンウォール |
| 職業 | 著作家 |
| 活動期間 | 1956年 - 2013年 |
| 文学活動 | 怒れる若者たち(英語版) |
| 代表作 | 「アウトサイダー」 「オカルト」など |
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コリン・ウィルソン(Colin Wilson、 1931年6月26日 - 2013年12月5日[1])は、イギリスの小説家、評論家。
来歴
1931年6月26日、イングランドのレスターに生まれる。父親は靴工場で働く労務者であり、典型的な労働者階級の出であった。経済的事情から16歳でやむなく学校を去り、さまざまな仕事に就きながら空いた時間に執筆を続ける。
1956年、24歳の時、様々な文学人・文化人について「実存主義的な危機」という観点から論じた評論『アウトサイダー(英語版)』を発表。これが大きな反響を呼び、作家としての地位を確立。これは当時取り組んでいた小説『暗黒のまつり』の執筆を中断して一気に書き上げたものである。この期間中、ウィルソンは定職に就かず、昼間は大英博物館で執筆、夜は野宿という生活を送っていた(これらの経緯は何作もある彼の自伝において繰り返し述べられている)。
その後はその博覧強記な才能によって、殺人、オカルト、心理学などを独自の思想から論じてきており、自身ではこれを「新実存主義」と呼んでいる。この他、SF小説や警察小説なども執筆している。
Angry young men(怒れる若者たち)
『アウトサイダー』出版と同時期にデビューした、社会秩序に反抗的な若手作家たちのことを、ジョン・オズボーンの戯曲『怒りをこめて振り返れ(英語版)』にちなんで「タイムズ」紙が「怒れる若者たち(英語版)」と呼んだ。『怒りをこめてふりかえれ』、キングズリー・エイミスの『ラッキー・ジム』、ジョン・B・ウェイン (英語版)の『急いで下りろ』、アラン・シリトーの『土曜の夜と日曜の朝』などに代表される。 この頃刊行された書籍に Tom Maschler, ed., Declaration (MacGibbon & Kee, London, 1957)[トム・マシュラー編『若き世代の発言』小池銈・橋口稔訳、南雲堂、1959]がある[3]。
業績
アウトサイダー・サイクル
『アウトサイダー』に始まる初期のコリン・ウィルソンの実存主義思想のシリーズ。サルトル、バルビュス、カミュ、ドストエフスキー、ニーチェ、ジョージ・フォックス、グルジェフなど、さまざまな思想家や小説家に根ざしている実存的危機を読み解き、そこから抜け出す道を模索している。シリーズでは、宗教思想、歴史学、社会学、文学、セックス、哲学などさまざまな分野の知識を駆使して、問題を追求している。
哲学・心理学
アブラハム・マズローの心理学の影響から、健康人の心理学を発展させ、独自の楽観主義を展開した。セント・ニオット・マージン、ロボットといった概念を与えている。意識と無意識との関係性を再構築する必要があると考えている。
楽観主義という立場から、サルトルの思想に含まれる悲観主義的側面を強く批判している。
コリン・ウィルソンは自身の哲学を『新実存主義』だと書いている。ホワイトヘッドの哲学や、ニーチェの哲学からの影響があると見られるが、より平易に、一般に向けて書かれたものと感じられる[4]。
殺人研究
『殺人百科』では、切り裂きジャックやペーター・キュルテンなど古典的な殺人事件を扱っている。彼の殺人の哲学は、小田晋や福島章など、日本の心理学者や評論家にも大きな影響を与えている。
『現代殺人の解剖』では、ニーチェやドストエフスキーの『悪霊』などを論じて意志の麻痺を語り、無動機殺人の背景に何らかの動機を見て取るという、迫力ある論考を展開している[5]。
オカルト研究
1971年にコリン・ウィルソンは出版社の依頼で『オカルト』を発表した。「オカルト」ブームの発端の一人である。この時期のウィルソンは宗教や心理学には強い関心を抱いていたが、オカルティズムに対しては懐疑的だった。ウィルソンはラスプーチンとグルジェフを、オカルティズムを超えて評価できる思想家であると考えている。
ウィリアム・ジェームズの超常現象に対する考察「それを信じたい人には信じるに足る材料を与えてくれるけれど、疑う人にまで信じるに足る証拠はない。超常現象の解明というのは本質的にそういう限界を持っている」に対し、コリン・ウィルソンは、これを「ウィリアム・ジェームズの法則」[6]と名づけた。
小説
ジェラード・ソーム三部作(『暗黒のまつり』『ジェラード・ソーム氏の性の日記』『迷宮の神』)では、同時期に執筆された評論と密接に関連したテーマを扱っている。『ガラスの檻』はウィリアム・ブレイク愛好者をめぐる連続殺人事件。
SFでは『精神寄生体』、『賢者の石』、『宇宙ヴァンパイアー』など、ラヴクラフトのクトゥルフ神話の影響を受けた作品が多い。これはファンタジー文学の評論『夢見る力』にてラヴクラフトに対して批判的な見解を述べたウィルソンに対して、ラヴクラフト作品の編集者・出版者であり自身も作家のオーガスト・ダーレスが「自分で幻想的な小説を書いてみたらどうか」と薦めた事による。ウィルソンは『精神寄生体』のまえがきにおいてラヴクラフトへの評価を一部改める旨を述べている。
また、ウィルソンは『夢見る力』においてトールキンの『指輪物語』を高く評価していた。1980年代後半からは自身も壮大なファンタジー『スパイダー・ワールド』シリーズを執筆している。巨大化した昆虫に支配された未来の地球におけるひとりの少年の成長物語・冒険物語である。同時に昆虫の生態についての読み物でもあり、また、ウィルソン独自の「意思の力」にまつわる思想も述べられている。
文芸評論
人間の想像力の可能性から、ウィルソンはSFやファンタジーの持つ意義を高く評価する。ジャン=ジャック・ルソーの『新エロイーズ』やリチャードソンの『パミラ』によって、ヨーロッパでは想像力の飛躍的な拡大が始まったと主張している。ラヴクラフトやデイヴィッド・リンゼイなどを再評価している。
また、ウィルソンはシェイクスピア嫌いを表明していて、評論ではことごとく批判している。イギリスの劇作家バーナード・ショーを、シェリーやワーグナーにひけを取らぬロマン主義者であり、ゲーテ以来の如何なるヨーロッパ作家よりも高度の客観性を備えていた、と高く評価し、関連論文も出版した(但し、ショーはシェイクスピアへのドグマ的な評価を批判しているが、シェイクスピア嫌いではない)。
コリン・ウィルソンは実存批評を掲げてデュレンマットやサルトル、ドストエフスキーなどを好んで論じている。ウィルソンの文芸批評の代表作の一つが『夢見る力』で、これはSFと世界文学とウィルソン自身の哲学とを論じた、熱意あふるる著作である[7]。
著作一覧
評論
1950年代
- The Outsider (Victor Gollancz, London 1956)
- Religion and the Rebel (Victor Gollanz, London 1957)
- 『宗教と反抗人』上巻、中村保男訳、紀伊國屋書店、1958
- 『続アウトサイダー』下巻、中村保男訳、紀伊國屋書店、1965
- 改訳版『宗教とアウトサイダー』上下巻、河出文庫、1992
- The Age of Defeat (Victor Gollancz, London 1959)
1960年代
- Encycloedia of Murder (Victor Gollancz, London 1961)
- The Strength to Dream: Literature and the Imagination (Victor Gollancz, London 1962)
- 『夢見る力――文学と想像力』中村保男訳、竹内書店、1968/河出文庫、1994
- Origins of the Sexual Impulse (Arthur Barker, London 1963)
- 『性の衝動――新実存主義への道』大竹勝訳、竹内書店、1964
- Rasputin and the Fall of the Romanovs (Victor Gollancz, London 1964)
- Brandy of the Damned (1964)
- 『コリン・ウィルソン 音楽を語る』河野徹訳、冨山房、1970
- Beyond the Outsider (Victor Gollancz, London 1965)
- 『アウトサイダーを超えて』中村保男訳、竹内書店、1966
- Eagle and Earwig (1965)
- 『新時代の文学』上巻、中村保男訳、福村出版、1976
- 『文学の可能性』下巻、中村保男・中村正明訳、福村出版、1976
- Sex and the Intelligent Teenager (1966)
- Introduction to the New Existentialism (1966)
- 『実存主義を超えて』中村保男・中村正明訳、福村出版、1974
- Voyage to a Beginning (1969)
- 『発端への旅――コリン・ウイルソン自伝』飛田茂雄訳、竹内書店、1971/中公文庫、2005
- A Casebook of Murder (1969)
- Bernard Shaw: A Reassessment (1969)
- 『バーナード・ショー』中村保男訳、新潮社、1972
- Poetry and Mysticism (1969; subsequently significantly expanded in 1970)
- L'amour: The Ways of Love (1970)
1970年代
- The Strange Genius of David Lindsay (with E. H. Visiak and J. B. Pick, 1970)
- The Occult: A History (Random House, 1971)
- 『オカルト』中村保男訳、上下巻、新潮社、1973/平河出版社、1985
- Order of Assassins: The Psychology of Murder (1972)
- 『純粋殺人者の世界』中村保男訳、新潮社、1974/改題『現代殺人の解剖――暗殺者の世界』河出文庫、1991
- New Pathways in Psychology: Maslow and the Post-Freudian Revolution (1972) (2ns ed., , Littlehampton Book Services, 2001)
- Strange Powers (1973)
- 『三人の超能力者の話』中村保男訳、新潮社、1975/改題『超能力者』河出文庫、1992
- "Tree" by Tolkien (Capra Press, 1973)
- Hermann Hesse (1974)
- Wilhelm Reich (1974)
- Jorge Luis Borges (1974)
- Hesse-Reich-Borges: Three Essays (1974)
- Ken Russell: A Director in Search of a Hero (1974)
- A Book of Booze(1974)
- The Unexplained (1975)
- Mysterious Powers (US title They Had Strange Powers) (1975)
- The Craft of the Novel (1975)
- 『小説のために――想像力の秘密』鈴木建三訳、紀伊國屋書店、1977
- Enigmas and Mysteries (1975)
- 『神秘と怪奇』安田洋平訳、学習研究社、1977
- The Geller Phenomenon (1975)
- Colin Wilson's Men of Mystery (US title 'Dark Dimensions') (with various authors, 1977)
- Mysteries (1978)
- Mysteries of the Mind (with Stuart Holroyd, 1978)
- The Haunted Man: The Strange Genius of David Lindsay (1979)
1980年代
- Science Fiction as Existentialism (1980)
- Frankenstein's Castle: the Right Brain-Door to Wisdom (1980)
- 『フランケンシュタインの城――意識のメカニズム』中村保男訳、平河出版社、1984
- Starseekers (1980)
- 『スターシーカーズ』田中三彦・上野圭一・菅靖彦訳、平河出版社、1982
- The Book of Time, edited by John Grant and Colin Wilson (1980)
- The War Against Sleep: The Philosophy of Gurdjieff (1980)
- 『覚醒への戦い』鈴木建三・君島邦守訳、紀伊國屋書店、1981
- The Directory of Possibilities, edited by Colin Wilson and John Grant' (1981)
- 『「未知」への事典』ジョン・グラントとの共編、中村保男訳、平河出版社、1991
- Poltergeist!: A Study in Destructive Haunting (1981)
- 『ポルターガイスト』宮川雅訳、青土社、1991
- Anti-Sartre, with an Essay on Camus (1981)
- The Quest for Wilhelm Reich (HarperCollins, 1981)
- The Goblin Universe (with Ted Holiday, 1982)
- Access to Inner Worlds: The Story of Brad Absetz (Rider & Co, 1983)
- 『右脳の冒険 内宇宙への道』中村保男訳、平河出版社、1984
- Encyclopedia of Modern Murder, 1962–83 (1983)
- 『現代殺人百科』、ドナルド・シーマンとの共著、関口篤訳、青土社、1989、新版、2004
- The Psychic Detectives: The Story of Psychometry and Paranormal Crime Detection (1984)
- A Criminal History of Mankind (Harper Collins, 1984), revised and updated (2005)
- 『世界残酷物語』上下巻、関口篤訳、青土社、1990-1991、新装版、2009
- Lord of the Underworld: Jung and the Twentieth Century (1984)
- 『ユング――地下の大王』安田一郎訳、河出書房新社、1985、河出文庫、1993
- The Bicameral Critic (1985)
- 『コリン・ウィルソン評論集――新楽観主義を求めて』中村保男・中村正明訳、扶桑社、1987
- The Essential Colin Wilson (1985)
- Rudolf Steiner: The Man and His Vision (1985)
- 『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョン』中村保男・中村正明訳、河出書房新社、1986、河出文庫、1994
- Afterlife: An Investigation of the Evidence of Life After Death (George G. Harrap & Co, 1985)
- 『コリン・ウィルソンの「来世体験」』梶元靖子訳、三笠書房、1991
- Scandal!: An Encyclopedia of Scandal', Edited by Colin Wilson and Donald Seaman' (1986)
- 『世界醜聞劇場』ドナルド・シーマンとの共編、関口篤訳、青土社、1993
- The Book of Great Mysteries, Edited by Colin Wilson and Christopher Evans (1986)
- An Essay on the 'New' Existentialism (1988)
- The Laurel and Hardy Theory of Consciousness (1986)
- Marx Refuted – The Verdict of History, edited by Colin Wilson (with contributions also) and Ronald Duncan, Bath, (UK), (1987)
- Aleister Crowley: The Nature of the Beast (1987)
- 『現代の魔術師 クローリー伝』中村保男訳、河出書房新社、1988
- The Musician as 'Outsider' (1987)
- The Encyclopedia of Unsolved Mysteries (with Damon Wilson, 1987)
- 『世界不思議百科』、息子のダモン・ウィルソンとの共著、関口篤訳、青土社、1989、新版、2007
- Jack the Ripper: Summing Up and Verdict (with Robin Odell, 1987)
- Autobiographical Reflections (1988)
- The Misfits: A Study of Sexual Outsiders (GRAFTON, 1988)
- 『性のアウトサイダー』鈴木晶訳、青土社、1989/中公文庫、2008
- Beyond the Occult (1988)
- The Mammoth Book of True Crime (1988)
- 『コリン・ウィルソンの犯罪コレクション』上下巻、関口篤訳、青土社、1994
- The Decline and Fall of Leftism (1989)
- Written in Blood: A History of Forensic Detection (1989)
- 『世界犯罪百科』上下巻、関口篤訳、青土社、1991
- Existentially Speaking: Essays on the Philosophy of Literature (1989)
- 『知の果てへの旅――思想と文学の現在』関口篤訳、青土社、1996
1990年代
- Serial Killers: A Study in the Psychology of Violence (1990)
- 『連続殺人の心理』、ドナルド・シーマンとの共著、中村保男訳、河出文庫、1993
- The Mammoth Book of the Supernatural (1991)
- 『世界超能力百科』関口篤訳、上下巻、青土社、1992
- Colin Wilson's World Famous Murders (1991)
- 『コリン・ウィルソンの殺人ライブラリー1 殺人狂時代の幕開け』中山元・二木麻里訳、青弓社、1994
- 『コリン・ウィルソンの殺人ライブラリー2 情熱の殺人』中山元・二木麻里訳、青弓社、1994
- 『コリン・ウィルソンの殺人ライブラリー3 殺人の迷宮』中山元・二木麻里訳、青弓社、1994
- 『コリン・ウィルソンの殺人ライブラリー4 猟奇連続殺人の系譜』中山元・二木麻里訳、青弓社、1994
- Mozart's Journey to Prague (1992)
- The Strange Life of P.D. Ouspensky (1993)
- 『二十世紀の神秘家ウスペンスキー』中村正明訳、河出書房新社、1995
- The Mammoth Book of True Crime 2 (1993)
- 『世界犯罪史』関口篤訳、青土社、1997
- Unsolved Mysteries: Past and Present (with Damon Wilson, 1993)
- 『世界不思議百科 総集編』、ダモン・ウィルソンとの共著、関口篤訳、青土社、1995、新版、2009
- Outline of the Female Outsider (1994)
- Clin Wilson’s World Famous Crimes (Running Press, 1995)
- 『世界大犯罪劇場』松浦俊輔訳、青土社、1997
- A Plague of Murder (1995)
- 『狂気にあらず!?――「パリ人肉事件」佐川一政の精神鑑定』、天野哲夫・佐川一政との共著、第三書館、1995(日本語オリジナル書籍)
- 『ずっと、人間のことばかり考えていた。』 小川隆訳 アスペクト 1996
- From Atlantis to the Sphinx (Random House, 1996)
- 『アトランティスの遺産』川瀬勝訳、角川春樹事務所、1997
- An Extraordinary Man in the Age of Pigmies: Colin Wilson on Henry Miller (1996)
- The Atlas of Holy Places and Sacred Places (1996)
- 『世界遺跡地図』森本哲郎監訳、三省堂、1998
- 『饗――カニバル』佐川一政との共著、柳下毅一郎訳・構成、竹書房、1996 (日本語オリジナル書籍)
- The Unexplained Mysteries of the Universe (1997)
- Below the Iceberg: Anti-Sartre and Other Essays (reissue with essays on postmodernism, 1998)
- The Corpse Garden: The Crimes of Fredand Rose West (1998)
- 『「死体の庭」あるいは「恐怖の館」殺人事件』鈴木晶訳、ぶんか社、1997
- The Books in My Life (1998)
- Alien Dawn (1999)
- 『エイリアンの夜明け』南山宏訳、角川春樹事務所、1999
2000年代
- The Devil's Party (US title Rogue Messiahs: : Tales of Self-Proclaimed saviors) (Hampton Roads Publishing, 2000)
- 『カリスマへの階段』関口篤訳、青土社、1996 (日本語版が初公刊)
- The Atlantis Blueprint, with Rand Flem-Ath, (Delacorte Press, 2000)
- 『アトランティス・ブループリント――神々の壮大なる設計図』ランド・フレマスとの共著、松田和也訳、学習研究社、2002
- Illustrated True Crime: A Photographic History (2002)
- Dreaming To Some Purpose (2004) – autobiography
- 『コリン・ウィルソンのすべて――自伝』中村保男訳、河出書房新社、2005
- World Famous UFOs (2005)
- Atlantis and the Kingdom of the Neanderthals (2006)
- 『アトランティスの暗号――10万年前の失われた叡智を求めて』松田和也訳、学習研究社、2006
- Crimes of Passion: The Thin Line Between Love and Hate (2006)
- Manhunt: A Study in Detection: Tracking Serial Killers (US title MANHUNT the definitive history of serial murder investigation) (2006)
- 『人狩り――連続殺人犯を追いつめろ!』植松靖夫訳、悠書館、2008
- The Angry Years: The Rise and Fall of the Angry Young Men (2007)
- Manhunters: Criminal Profilers & Their Search for the World's Most Wanted Serial Killers (2007)
- Super Consciousness: The Quest for the Peak Experience (2009)
- 『超越意識の探求 自己実現のための意識獲得法』松田和也訳、学習研究社、2007
- Existential Criticism: selected book reviews (edited by Colin Stanley) (2009)
2010年代
- Supernatural: Your Guide Through the Unexplained, the Unearthly and the Unknown (2011)
- Comments on Boredom' and 'Evolutionary Humanism and the New Psychology (2013)
- Introduction to 'The Faces of Evil': an unpublished book (2013)
- An End to Murder (with Damon Wilson, 2015)
- 『殺人の人類史』デイモン・ウィルソンとの共著、上下巻、松田和也訳、青土社、2016
- Collected Essays on Philosophers (edited by Colin Stanley, 2016)
小説
- Ritual in the Dark (1959) 『暗黒のまつり』 中村保男訳 新潮社 1960
- Adrift in Soho (1961) 未訳、『ソーホー街漂流』
- Man Without a Shadow (米国版 The Sex Diary of Gerard Sorme) (1963)『ジェラード・ソーム氏の性の日記』 磯村淳訳 二見書房 1965、『形而上学者の性日記』中村保男訳 ペヨトル工房 1990
- The Glass Cage(1966)『ガラスの檻』 中村保男訳 新潮社 1967
- The Mind Parasites(1967)『精神寄生体』 小倉多加志訳 早川書房 1969 のち学研M文庫
- The Philosopher's Stone(1969)『賢者の石』 中村保男訳 創元推理文庫、1971
- The God of Labyrinth(1969)『迷宮の神』 大龍啓裕訳 サンリオSF文庫 1980
- The Killer (米国版 Lingard)(1970)『殺人者』 永井淳訳 早川書房 1975
- The Black Room(1974)『黒い部屋』 中村保男訳 新潮社 1974
- The Space Vampires(1976)『宇宙ヴァンパイアー』 中村保男訳 新潮文庫、1977
- The Schoolgirl Murder Case(1975)『スクールガール殺人事件』 高見浩訳 新潮社 1975 のち文庫
- The Return of the Lloigor(1977)『ロイガーの復活』 団精二(荒俣宏)訳 ハヤカワ文庫 1977
- Spider World: The Tower (1987)『スパイダー・ワールド 賢者の塔』 小森健太朗訳 講談社ノベルス 2001
- Spider World: The Delta (1987)『スパイダー・ワールド 神秘のデルタ』 小森健太朗訳 講談社ノベルス 2001
映画
雑誌特集など
研究・評伝
- Sidney R. Campion, The World of Colin Wilson: a biographical study (Mulller, 1962)
- John A. Weigel, Colin Wilson (Boston: Twayne Publishers, 1975)
- Clifford P. Bendau, Colin Wilson: The Outsider and Beyond (San Bernardino: Borgo Press, 1979)
- Nicolas Tredell, The Novels of Colin Wilson (London: Vision Press, 1982)
- Dale Salwak (ed), Interviews with Britain's Angry Young Men (San Bernardino: Borgo Press, 1984)
- Howard F. Dossor, Colin Wilson: the bicameral critic: selected shorter writings (Salem: Salem House, 1985)
- John Moorhouse & Paul Newman, Colin Wilson, two essays (Nottingham: Paupers' Press, 1988)
- Colin Stanley, (ed). Colin Wilson, a celebration: essays and recollections (London: Cecil Woolf, 1988)
- Michael Trowell, Colin Wilson, the positive approach (Nottingham: Paupers' Press, 1990)
- Howard F. Dosser, Colin Wilson: The Man and His Mind (Shaftesbury, Dorset: Element Books, 1990)
- ハワード・F・ドッサー『コリン・ウィルソン その人と思想の全体像』中村正明訳、日本教文社、1996
- Colin Stanley, The Nature of Freedom' and other essays (Nottingham: Paupers' Press, 1990)
- Jeffrey Smalldon, Human Nature Stained: Colin Wilson and the existential study of modern murder (Nottingham: Paupers' Press, 1991)
- Tim Dalgleish, The Guerilla Philosopher: Colin Wilson and Existentialism (Nottingham: Paupers' Press, 1993)
- Gary Lachman, Two essays on Colin Wilson (Nottingham: Paupers' Press, 1994)
- Howard F. Dossor, The Philosophy of Colin Wilson: three perspectives (Nottingham: Paupers' Press, 1996)
- Paul Newman, Murder as an Antidote for Boredom: the novels of Laura Del Rivo, Colin Wilson and Bill Hopkins (Nottingham: Paupers' Press, 1996)
- John Shand & Gary Lachman, Colin Wilson as Philosopher (Nottingham: Paupers' Press, 1996)
- Robertson, Vaughan. Wilson as Mystic (Nottingham: Paupers' Press, 2001)
- Tom Greenwell, Chepstow Road: a literary comedy in two acts (Nottingham: Paupers' Press, 2002)
- Brad Spurgeon, Colin Wilson: philosopher of optimism (Manchester: Michael Butterworth, 2006)
- Colin Stanley, Colin Wilson's 'Outsider Cycle': a guide for students (Nottingham: Paupers' Press, 2009)
- Sidney R. Campion, The Sound Barrier: a study of the ideas of Colin Wilson (Nottingham: Paupers' Press, 2011)
- Colin Stanley, (ed). Around the Outsider: essays presented to Colin Wilson on the occasion of his 80th birthday (Winchester: O-Books, 2011)
- Colin Stanley, Colin Wilson's 'Occult Trilogy': a guide for students (Alresford: Axis Mundi Books, 2013)*Colin Stanley, Colin Wilson's Existential Literary Criticism: a guide for students (Nottingham: Paupers' Press, 2014)
- Nicolas Tredell, Novels to Some Purpose: the fiction of Colin Wilson (2015)
- Colin Stanley, The Ultimate Colin Wilson Bibliography 1956–2015 (Nottingham: Paupers' Press, 2015)
- Gary Lachman, Beyond the Robot: the life and work of Colin Wilson (New York: Tarcher Perigee, 2016)
- Colin Stanley, An Evolutionary Leap: Colin Wilson and Psychology (London: Karnac, 2016)
- Colin Stanley, The Writing of Colin Wilson's 'Adrift in Soho' (2016)
- Colin Stanley (ed). Proceedings of the First International Colin Wilson Conference (Newcastle upon Tyne: Cambridge Scholars, 2017)
出典
- 英作家コリン・ウィルソンさん死去 「アウトサイダー」 朝日新聞 2013年12月11日[リンク切れ]
- “The Quietus - Anthony Reynolds Discusses Colin Wilson”. 2013年4月13日閲覧。
- 諏訪部仁「「アウトサイダー」は未来を孕んでいるか : コリン・ウィルソン序説」、『茨城大学文理学部紀要 人文科学』no.17、1966、pp.111-127.
- 『宗教とアウトサイダー』河出書房新社、1922年9月1日。
- 『無動機殺人の解剖』河出文庫、1991年11月4日。
- コリン・ウィルソン『コリン・ウィルソンの「来世体験」』三笠書房、1991年、225頁。ISBN 4-8379-5472-3。
- 『夢見る力:文学と想像力』河出書房新社、1994年4月1日。
外部リンク
テーマは一言でいうと、
「世の中に馴染めず、生きる意味を強く求める人間(アウトサイダー)とは何者か?」
という問いです。
ウィルソンのいう「アウトサイダー」は、不良や犯罪者ではありません。
例えば、
- 社会に違和感を覚える人
- 普通の生活では満足できない人
- 「人生にはもっと深い意味があるはずだ」と感じる人
- 孤独で、自分の存在を問い続ける人
こうした人物を「アウトサイダー」と呼んでいます。
本の中では誰を取り上げる?
ウィルソンは文学者や哲学者を例に挙げながら論じます。
例えば、
- フョードル・ドストエフスキー
- フランツ・カフカ
- フリードリヒ・ニーチェ
- アルベール・カミュ
- ジャン=ポール・サルトル
- ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
などです。
彼らの作品や人生を通して、
「なぜ彼らは社会に馴染めなかったのか」 「なぜ虚無や絶望を感じたのか」
を分析しています。
どんな結論?
興味深いのは、ウィルソンは単なる悲観主義では終わらないことです。
彼は、
「アウトサイダーは病んだ人ではなく、人間の可能性を誰よりも強く求めている存在だ」
と考えます。
そして、
- 意識を高めること
- 人生を主体的に生きること
- より高い精神状態に到達すること
によって、虚無を乗り越えられる、と主張しています。
この点で、単なる「絶望の哲学」ではなく、「人間の可能性」を探る本でもあります。
映画『アウトサイダー』とは?
一方、映画の**アウトサイダー**は、フランシス・フォード・コッポラ監督による青春映画です。
内容は、
- 貧しい少年グループ「グリーサーズ」
- 裕福な少年グループ「ソッシュ」
の対立や友情、成長を描いた青春ドラマです。
こちらの「アウトサイダー」は、「社会のはみ出し者」というより、「社会的弱者・不良少年たち」という意味で使われています。
読みやすさは?
正直に言うと、コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』はかなり難しい本です。
文学、哲学、宗教、心理学への言及が多く、哲学書に近い内容なので、一気に読むのは大変かもしれません。
ただし、
- 「人生に意味はあるのか」
- 「なぜ孤独を感じるのか」
- 「普通に生きることへの違和感」
といったテーマに関心がある人には、今でも読み継がれている名著です。
もし興味があれば、「第1章で何が語られているのか」や「アウトサイダーという概念の核心」も、できるだけ分かりやすく解説できます。
もちろんです。
コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』の核心は、「孤独な人の話」ではありません。
もっと本質的には、
「人間は、本来もっと深く生きられるはずなのに、日常生活によって眠らされている」という考え方
です。
これを順番に説明します。
① 人は普段、眠ったように生きている
ウィルソンは、人間は毎日同じことを繰り返すうちに、
- 朝起きる
- 学校や会社へ行く
- ご飯を食べる
- テレビを見る
- 寝る
という「慣れ」の中で生きるようになると言います。
すると、
「生きていることの不思議」 「世界の美しさ」 「自分はなぜ存在するのか」
という感覚を失ってしまう。
彼はこれを、人間の意識が眠っている状態だと考えました。
② アウトサイダーは、その眠りに耐えられない人
普通の人は、
「人生ってこんなものだ」
で納得できます。
しかしアウトサイダーは違います。
心のどこかで、
「違う。何かがおかしい。」
と感じ続けます。
例えば、
- この仕事だけで人生が終わるの?
- 何のために生きているの?
- みんな本当に幸せなの?
- なぜ世界はこんなに空っぽに感じるんだ?
こういう疑問が消えません。
だから社会から浮いてしまう。
③ しかし、多くのアウトサイダーは絶望する
ここでウィルソンは、
フランツ・カフカやアルベール・カミュなどを例に挙げます。
彼らは、
「人生には意味がない」
という壁にぶつかります。
すると、
- 虚無感
- 孤独
- 絶望
に苦しむ。
ここが多くの実存主義文学のテーマです。
④ ウィルソンは、ここで終わらない
ここが、この本が当時とても新しかった理由です。
多くの実存主義者は、
「人生は不条理だ」
で終わります。
しかしウィルソンは、
「いや、それは意識が十分に発達していないだけだ。」
と言います。
つまり、
人生に意味がないのではなく、
私たちが意味を感じるだけの意識を十分に使えていない
というのです。
⑤ 人には「高い意識」がある
例えば、
山の頂上で景色を見た瞬間、
恋をした瞬間、
芸術に感動した瞬間、
命が助かった瞬間、
「世界が急に鮮やかになった」
という経験はありませんか?
ウィルソンは、
こういう瞬間こそ、
本来の人間の意識
だと言います。
普段はその能力をほとんど使っていない。
だから人生が退屈に感じる。
⑥ アウトサイダーは病人ではない
これが一番重要な考えです。
普通は、
社会に馴染めない人を
「変わった人」
「問題のある人」
と見ます。
しかしウィルソンは逆です。
彼は、
アウトサイダーは、人間の可能性を誰よりも敏感に感じ取っている人だ。
と言います。
つまり、
「普通」に満足できないのは欠点ではなく、
もっと深い生き方を求める感性なのです。
この本を一言で表すなら
『アウトサイダー』は、
「なぜ自分だけが世の中に違和感を覚えるのだろう?」
という問いから始まり、
最後には、
「その違和感は、人間がもっと高い意識へ向かうための出発点かもしれない。」
という希望へ向かう本です。
だから単なる「孤独な人の本」でも、「暗い哲学書」でもありません。人間にはまだ眠っている可能性があるという、前向きなメッセージを含んだ作品なのです。
この考え方には、アブラハム・マズローの「ピーク体験」や、ジョージ・グルジェフの「人は眠って生きている」という思想との共通点も見られます。実際、ウィルソンはこうした思想からも影響を受け、人間の意識の可能性を探究していきました。
面白い対比ですね。
実は、「アウトサイダー」と「インサイダー」は言葉は似ていますが、語源の「内側(inside)・外側(outside)」を共有しているだけで、意味はまったく違います。
- アウトサイダー(哲学) = 社会や常識の「外側」に立つ人
- インサイダー(金融) = 組織の「内側」にいて秘密を知る人
この「内側・外側」という対比は、意外と哲学的でもあります。
インサイダー取引とは何か
簡単に言うと、
まだ一般には公開されていない重要な情報を利用して株を売買すること
です。
例えば、
ある会社の社員だけが、
「来週、新薬が承認される」
という情報を知っていたとします。
ニュースになる前に株を買えば、
発表後に株価が急上昇し、大きな利益を得られます。
しかし一般投資家はその情報を知りません。
これが不公平なので禁止されています。
倫理的な問題
インサイダー取引は、
「ズルいからダメ」
というだけではありません。
金融市場は、
みんなが同じルールで参加している
という信頼で成り立っています。
もし
- 社長だけ知っている
- 銀行だけ知っている
- 証券会社だけ知っている
という状態で売買されたら、
普通の人は勝てません。
すると、
「こんな市場、誰も参加しない」
となってしまいます。
つまり、
インサイダー取引は
市場そのものへの信用を壊す行為
なのです。
面白い業界話①
金融会社では、
社員の株取引がものすごく厳しく管理されています。
例えば、
- 売買前に会社へ申請
- 一定期間売れない
- 家族の口座まで報告
という会社もあります。
「面倒すぎる」と思うかもしれませんが、
一人でも問題を起こすと会社全体の信用が失われるためです。
面白い業界話②
実は、
「偶然知ってしまった」
でも危険なことがあります。
例えば、
電車で隣に座った人が、
「来週買収決まるから」
と電話しているのを聞いた。
その情報を利用して売買すると、
場合によっては問題になる可能性があります。
法律では、
情報の入手経路や状況が細かく判断されます。
映画のような話ですが、現実にも「情報がどこから漏れたか」が大きな争点になることがあります。
面白い業界話③
金融業界には
チャイニーズ・ウォール(Chinese Wall)
という考え方があります。
これは本当の壁ではありません。
例えば、
銀行には
- M&Aを担当する部署
- 株を売買する部署
があります。
この二つが情報を共有すると、
インサイダー取引につながる危険があります。
そこで、
部署同士の情報を意図的に遮断します。
これを「チャイニーズ・ウォール」と呼びます。
最近では「Information Barrier(情報遮断)」という表現を使う企業も増えています。
面白い業界話④
インサイダー事件は、
必ずしも何億円も儲けた人ばかりではありません。
数十万円、
数万円の利益でも摘発された例があります。
金融当局は、
「金額」よりも
市場の公平性
を重視するためです。
哲学的に見ると…
ここで、先ほどのコリン・ウィルソンの『アウトサイダー』と比べると、少し面白い見方ができます。
ウィルソンの「アウトサイダー」は、
「社会の外側から、本質を見ようとする人」
でした。
一方、金融の「インサイダー」は、
「組織の内側にいる立場を利用して利益を得る人」
です。
つまり、
- アウトサイダーは「真実」を求める存在として描かれることがある。
- インサイダー取引は「情報の独占」を利用する行為として問題になる。
どちらも「内側・外側」という言葉を使いますが、その価値づけは正反対です。
雑学
英語では insider という単語自体には悪い意味はありません。
例えば、
- He's an insider in the industry.(彼は業界の事情に詳しい内部の人だ。)
というように、「内部事情に詳しい人」という中立的な意味でも使われます。
悪い意味になるのは insider trading(インサイダー取引)という組み合わせです。
一方で outsider も、単に「部外者」という意味で使われることもあれば、コリン・ウィルソンのように「既成概念にとらわれず、本質を追求する人」という哲学的な意味で使われることもあります。
同じ「inside」「outside」という言葉でも、金融・哲学・日常英語では意味合いが大きく変わる点が、言葉として非常に興味深いところです。
とても興味深いテーマです。
実は、**アウトサイダー(外側)とインサイダー(内側)の間には、「橋渡しをする人」がいます。そして、その橋渡しが失敗するときの象徴として、聖書のバベルの塔**の物語を読むこともできます。
ただし、最初に一つ補足すると、バベルの塔の物語では「言葉が増えすぎたから自然に協力できなくなった」のではありません。物語では、人々が一つの言語で団結して塔を建てようとしたため、神が言語を混乱させ、互いに理解できなくした結果、建設が止まったと描かれています。
バベルの塔とは
聖書では、人類は最初、
「一つの言葉」
を話していました。
人々は、
「天まで届く塔を造ろう。」
「自分たちの名を上げよう。」
と考えます。
そこで神は、
言語を混乱させ、
互いに理解できなくした。
結果、
建設は止まり、
人類は世界中へ散っていった、
という話です。
現代的な解釈
宗教学者や歴史学者の間では、この物語はさまざまに解釈されています。
例えば、
① 人間の傲慢への警告
「何でもできる」と思い上がることへの戒め。
② 多様性の起源
なぜ世界にはたくさんの言語があるのかを説明する神話。
③ コミュニケーションの難しさ
同じ言葉を使っていても、
価値観が違えば理解できない、
という寓話として読む人もいます。
アウトサイダーとインサイダーの中間にいる人
実は社会には、
どちらでもない人がいます。
例えば、
通訳・翻訳者
異なる文化をつなぐ。
業界では
「翻訳は単語を置き換える仕事ではない」
と言われます。
文化まで訳さないと伝わらないからです。
コンサルタント
会社の外部の人ですが、
一時的に会社の内部へ入り、
内部事情も理解します。
「外から見る目」と
「中で動く目」
の両方が必要です。
このバランスが難しいため、「外部だからこそ言えること」と「内部だからこそ理解できること」の両立が求められます。
ジャーナリスト
社会の内部事情を調べ、
外部へ伝える仕事です。
情報源との信頼関係を築きながら、読者には独立した立場で伝える必要があります。
近づきすぎれば客観性を失い、遠すぎれば実態をつかめません。
IT業界の「バベルの塔」
これは業界ではよく冗談で言われます。
例えば、
同じシステムでも、
- プログラマー
- 営業
- デザイナー
- 法務
- 経営者
では、
「API」
一つとっても理解が違います。
プログラマーは
「通信の仕組み」
営業は
「他社と連携できます」
法務は
「契約は?」
経営者は
「利益になる?」
と考える。
同じ言葉でも、
意味が違う。
これを
「みんな日本語を話しているのに通じない」
と言ったりします。
医療業界にもある
医師が
「予後」
と言えば、
専門家には普通の言葉ですが、
患者さんは意味が分からないことがあります。
そこで医療現場では、
専門用語を
「生活の言葉」
へ翻訳する能力が重要になります。
医療通訳や、患者への説明を専門に支援する職種が重視されるのも、この「橋渡し」の役割が大きいからです。
哲学的には
コリン・ウィルソンなら、
こう考えるかもしれません。
アウトサイダーは、
「社会を疑う人」
です。
インサイダーは、
「社会を動かす人」
です。
しかし本当に価値があるのは、
両方の世界を理解できる人かもしれません。
つまり、
- 外から見る客観性
- 中で動く実践力
の両方を持つ人です。
雑学
現代の大企業では、「翻訳者」のような役割を担う人が非常に重要視されています。必ずしも言語の翻訳者ではなく、異なる専門分野をつなぐ人です。
例えば、ソフトウェア開発では「プロダクトマネージャー」、研究開発では「テクニカルプログラムマネージャー」、製造業では「システムエンジニア」などが、技術・経営・顧客の間を行き来します。
業界では、「一番価値があるのは、専門知識だけではなく、異なる専門家同士を理解し、互いに通じる言葉に変換できる人だ」と言われることがあります。これは、現代版の「バベルの塔」を崩壊させないための重要な役割とも言えるでしょう。
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