2025年11月12日水曜日

Shellの開発をするとして、基本となるのは何ですか?

Shellの開発をするとして、基本となるのは何ですか?
ChatGPT:

とても良い質問です。
「Shell(シェル)」を開発するというのは、OSの“外殻”を自分で作るということ。
つまり「人間が打ち込むコマンド」と「カーネルの機能」をつなぐ**通訳(インターフェース)**を作ることです。


🧩 シェル開発の基本を一言で言うと

💡「文字入力を受け取り → コマンドを解析し → 実行して → 結果を表示する」

この流れを自分で作るのが「シェル開発」です。


🧠 シェル開発の基礎要素

以下の4つが「土台」になります。


① 標準入出力(I/O)の理解

  • stdin(標準入力)

  • stdout(標準出力)

  • stderr(標準エラー出力)

💬 たとえばユーザーが ls と入力したら:

  1. シェルは stdin から文字列を受け取る

  2. 解析して /bin/ls を探す

  3. fork() で子プロセスを作る

  4. exec()/bin/ls に置き換える

  5. 結果を stdout に出す

これが基本中の基本の流れです。


② プロセス管理の理解(fork / exec / wait)

シェルは「命令を出す親」、コマンドは「実行する子」です。

pid_t pid = fork();
if (pid == 0) {
    // 子プロセス:コマンドを実行
    execvp(args[0], args);
} else {
    // 親プロセス:子の終了を待つ
    wait(NULL);
}

🧩 fork() → プロセスを複製
execvp() → 別のプログラムに置き換え
wait() → 子の終了を待機

この3つでほとんどのUNIX系シェルが動いています


③ コマンド解析(パーシング)

ユーザーが入力した文字列を分解します。

例:

cat file.txt | grep hello > output.txt

これを解析して:

  • コマンド1: cat

  • 引数: file.txt

  • パイプで次のコマンドに渡す

  • 出力を output.txt にリダイレクト

という構造に分けます。

📘 最初は空白区切りとリダイレクト (>, <) だけ対応すればOK。
慣れたら |, &&, ;, & などを追加します。


④ 環境変数・PATHの理解

シェルは「どこにコマンドがあるか」を知らないと実行できません。
PATH 変数を参照して、ディレクトリを順に探します。

char *path = getenv("PATH");

例:

PATH=/usr/local/bin:/usr/bin:/bin

ls と入力されたら、これらのフォルダを順に探し、 /bin/ls を見つけて実行します。


⚙️ 使う言語

シェル開発には主に以下の言語が使われます。

言語 特徴
C言語 最も本格的。UNIX的・実践的。fork/execが直接使える。
Python 簡単に試作できる。学習向けのミニシェルに最適。
Rust 安全性が高い。最近の「新世代シェル」(例:Nushell)がRust製。

🧮 簡単なCのサンプル(最小シェル)

#include 
#include 
#include 
#include 

#define MAX 100

int main() {
    char input[MAX];
    char *args[10];

    while (1) {
        printf("myshell> ");
        fgets(input, MAX, stdin);
        input[strcspn(input, "\n")] = '\0'; // 改行除去

        // "exit"で終了
        if (strcmp(input, "exit") == 0)
            break;

        // スペースで分割
        int i = 0;
        args[i] = strtok(input, " ");
        while (args[i] != NULL) {
            i++;
            args[i] = strtok(NULL, " ");
        }

        pid_t pid = fork();
        if (pid == 0) {
            execvp(args[0], args);
            perror("exec failed");
            exit(1);
        } else {
            wait(NULL);
        }
    }

    return 0;
}

これをコンパイルして実行すると、 自作の簡易シェルとして動きます。
(ls, pwd, echo などが使えます。)


🧭 雑学・業界話

  • UNIXの最初のシェルはsh(Bourne Shell)。1977年の誕生。

  • その後派生して、bash, zsh, fish, dashなどが生まれました。

  • bashは「Bourne Again SHell」の略。
     →「再び生まれ変わったボーンシェル」という洒落です😄

  • 最近はRust製のNushell, Go製のOil Shellなども登場し、 「対話型・データ指向」へと進化しています。


🧱 まとめ:シェル開発の基本

概念 内容
入出力 stdin, stdout, stderr を扱う
プロセス fork, exec, wait
コマンド解析 文字列をトークンに分割して実行
環境変数 PATH, HOME, USER などを扱う
言語 C, Python, Rust など

もしよければ次に、
🔹「上のCコードを一行ずつ解説」
🔹「Pythonで同じことをやってみる」
🔹「パイプ(|)やリダイレクト(>)対応を追加していく」

のどれかから進めてみましょうか?

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