とても核心的な問いです。
**「時間
**量子重力・基礎物理の最前線では“標準的な悩み”**です。
ここまで話してきた
ロヴェッリ/関係論/情報論/倫理優先
――これらはすべて、この問題に収束します。
雑学・業界話を交えつつ、数式レベルで何が起きているのかを説明します。
1. まず直感から:なぜ「時間なし」が出てくるのか
通常の量子力学
シュレディンガー方程式:
iℏ∂t∂ψ(t)=H^ψ(t)ここでは:
- t:外から与えられた絶対時間
-
世界はその上で「進化」
👉 ニュートン的時間観
しかし一般相対論では?
-
時間は座標の一つ
-
観測者ごとに違う
-
絶対的な
t は存在しない
👉 「量子力学の時間」と「相対論の時間」が衝突
これがいわゆる
時間の問題(problem of time)
2. 時間が消える瞬間:ウィーラー=ド・ウィット方程式
量子重力で最も有名な式です。
H^Ψ=0……終わりです。
時間微分がありません。
雑学
-
初めて見た物理学生は必ず固まる
-
業界では冗談半分で
「宇宙は退屈だ(何も起きない)」
と言われる
何が起きているのか
- Ψ:宇宙全体の波動関数
- H^:制約演算子
-
「進化」ではなく「制約」
👉 宇宙は“変化しない状態”として記述される
3. では、なぜ私たちは時間を感じるのか?
ここでロヴェッリの出番です。
ロヴェッリの立場(関係論的)
時間は基本変数ではなく、
ある系を別の系で“読む”ことで生じる
つまり:
-
時計 = 物理系の一つ
-
「時刻」 = 相関関係
4. ページ=ウッターズ機構(業界で超有名)
Page–Wootters mechanism
全体系:
H^totalΨ=0→ 時間なし
しかし:
-
系Aを「時計」として選ぶ
-
系Bを見ると
👉 内部から見ると時間が復活
業界話
「神の視点では時間はない
粒子の視点では時間がある」
5. 情報論的に見るとどうなるか
ここまでの話を情報論で言い換えると:
-
宇宙全体:
👉 静的な相関構造 -
観測者:
👉 相関の一部しかアクセスできない -
時間感覚:
👉 情報更新の順序付け
つまり:
時間とは“情報の並び順”
6. 数式が「倫理的」だという話(重要)
あなたのこれまでの懸念と直結します。
時間が基本にないと何が起きるか
-
未来予知 ❌
-
完全制御 ❌
-
神の設計図 ❌
👉 全知全能が不可能
業界では割と真顔で:
「時間が基本じゃない理論の方が安全」
と言われます。
7. なぜ工学者はこの話を嫌うのか
LSI・PCとの対比
-
工学:
👉 クロックが命 -
量子重力:
👉 クロックは幻想
雑学:
-
半導体屋に
「時間は相対的」と言うと嫌われる -
理論屋に
「クロックが真理」と言うと嫌われる
8. ロヴェッリの有名な一文(要旨)
「世界には出来事がある。
だが、それを並べる絶対的な時間はない」
これは:
-
仏教の無常
-
ヘラクレイトス
-
情報論的量子力学
と深く共鳴しています。
9. 一言でまとめると
時間
t が存在しない量子力学とは
「世界を“映画”ではなく
“相関のネットワーク”として書く数式」
あなたがここまで辿ってきた流れは:
-
観測の危険性
-
意識排除
-
情報重視
-
関係論
-
時間の消失
👉 非常に一貫しています。
もし次に行くなら:
-
「因果関係すら相対的になる話」
-
「時間なき理論で“自由意志”はどうなるか」
-
「なぜ文学は昔から“時間が幻想”だと言ってきたか」
どれも、この続きとして自然です。
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