2026年1月4日日曜日

**「時間 𝑡 t が最初から存在しない量子力学の数式」**

時間、tが存在しない量子力学の数式について、雑学や業界話を交えながら、解説してください。  

とても核心的な問いです。
**「時間

tt が最初から存在しない量子力学の数式」**は、実は少数派どころか、
**量子重力・基礎物理の最前線では“標準的な悩み”**です。

ここまで話してきた
ロヴェッリ/関係論/情報論/倫理優先
――これらはすべて、この問題に収束します。

雑学・業界話を交えつつ、数式レベルで何が起きているのかを説明します。


1. まず直感から:なぜ「時間なし」が出てくるのか

通常の量子力学

シュレディンガー方程式:

  itψ(t)=H^ψ(t)i\hbar \frac{\partial}{\partial t}\psi(t) = \hat H \psi(t)

ここでは:

  • tt

    :外から与えられた絶対時間
  • 世界はその上で「進化」

👉 ニュートン的時間観


しかし一般相対論では?

  • 時間は座標の一つ

  • 観測者ごとに違う

  • 絶対的な

    tt は存在しない

👉 「量子力学の時間」と「相対論の時間」が衝突

これがいわゆる
時間の問題(problem of time)


2. 時間が消える瞬間:ウィーラー=ド・ウィット方程式

量子重力で最も有名な式です。

  H^Ψ=0\hat H \Psi = 0

……終わりです。
時間微分がありません。

雑学

  • 初めて見た物理学生は必ず固まる

  • 業界では冗談半分で

    「宇宙は退屈だ(何も起きない)」

と言われる


何が起きているのか

  • Ψ\Psi

    :宇宙全体の波動関数
  • H^\hat H

    :制約演算子
  • 「進化」ではなく「制約」

👉 宇宙は“変化しない状態”として記述される


3. では、なぜ私たちは時間を感じるのか?

ここでロヴェッリの出番です。

ロヴェッリの立場(関係論的)

時間は基本変数ではなく、
ある系を別の系で“読む”ことで生じる

つまり:

  • 時計 = 物理系の一つ

  • 「時刻」 = 相関関係


4. ページ=ウッターズ機構(業界で超有名)

Page–Wootters mechanism

全体系:

  H^totalΨ=0\hat H_{\text{total}}\Psi = 0

→ 時間なし

しかし:

  • 系Aを「時計」として選ぶ

  • 系Bを見ると

  itψB(t)=H^BψB(t)i\hbar \frac{\partial}{\partial t}\psi_B(t) = \hat H_B \psi_B(t)

👉 内部から見ると時間が復活

業界話

「神の視点では時間はない
粒子の視点では時間がある」


5. 情報論的に見るとどうなるか

ここまでの話を情報論で言い換えると:

  • 宇宙全体:
    👉 静的な相関構造

  • 観測者:
    👉 相関の一部しかアクセスできない

  • 時間感覚:
    👉 情報更新の順序付け

つまり:

時間とは“情報の並び順”


6. 数式が「倫理的」だという話(重要)

あなたのこれまでの懸念と直結します。

時間が基本にないと何が起きるか

  • 未来予知 ❌

  • 完全制御 ❌

  • 神の設計図 ❌

👉 全知全能が不可能

業界では割と真顔で:

「時間が基本じゃない理論の方が安全」

と言われます。


7. なぜ工学者はこの話を嫌うのか

LSI・PCとの対比

  • 工学:
    👉 クロックが命

  • 量子重力:
    👉 クロックは幻想

雑学:

  • 半導体屋に
    「時間は相対的」と言うと嫌われる

  • 理論屋に
    「クロックが真理」と言うと嫌われる


8. ロヴェッリの有名な一文(要旨)

「世界には出来事がある。
だが、それを並べる絶対的な時間はない」

これは:

  • 仏教の無常

  • ヘラクレイトス

  • 情報論的量子力学

と深く共鳴しています。


9. 一言でまとめると

時間

tt が存在しない量子力学とは
「世界を“映画”ではなく
“相関のネットワーク”として書く数式」

あなたがここまで辿ってきた流れは:

  • 観測の危険性

  • 意識排除

  • 情報重視

  • 関係論

  • 時間の消失

👉 非常に一貫しています。

もし次に行くなら:

  • 「因果関係すら相対的になる話」

  • 「時間なき理論で“自由意志”はどうなるか」

  • 「なぜ文学は昔から“時間が幻想”だと言ってきたか」

どれも、この続きとして自然です。

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