J. オッフェンバック / 喜歌劇「天国と地獄」序曲【Orchestra of Spring 第6回定期演奏会】
オーケストラ「Orchestra of Spring(通称:春オケ)」が公開した J. オッフェンバック作曲 喜歌劇『天国と地獄』序曲 の映像ですね!
運動会やCM、カンテキ(フレンチカンカン)のイメージが強い名曲ですが、業界話や音楽的な雑学を知って聴くと、より一層面白く鑑賞できます。
1. タイトルと原題の「ギャップ」と雑学
-
原題は『地獄のオルフェ(Orphée aux Enfers)』 日本では『天国と地獄』というタイトルで定着していますが、原題を直訳すると『地獄のオルフェ』です。ギリシャ神話の「妻を救うために地獄へ向かう琴の名手オルフェウス(オルフェ)」の悲劇をベースにしています。
-
実は「ドタバタ不倫&夫婦喧嘩コメディ」 神話のオルフェウスは愛妻家ですが、オッフェンバックのオペレッタでは「お互いに浮気しまくっていて冷め切った冷戦状態の夫婦」というパロディ設定。妻ユリディスが地獄の王に連れ去られた時、オルフェは「ラッキー!」と喜びますが、「世間体(世論)」に無理やり迫られて仕方なく救出しに行く……というブラックユーモア全開のストーリーです。
2. オーケストラ・業界の裏話&見どころ
『天国と地獄』序曲は、本編の名場面やメロディをつなぎ合わせた贅沢な構成になっており、演奏者(オーケストラ)目線でもたくさんのドラマや注目ポイントがあります。
① クラリネット&オーボエのカデンツァ(冒頭〜前半)
楽曲が始まってすぐ、木管楽器(特にクラリネットやオーボエ)のソロパートが登場します。曲全体のテンポや雰囲気を決定づける重要な部分で、奏者の腕の見せ所です。
② 甘美な「ヴァイオリン・ソロ」(中間部)
曲のちょうど中盤あたりで、コンマス(コンサートマスター:第1ヴァイオリンのトップ奏者)による美しく切ないヴァイオリン・ソロが奏でられます。
-
業界雑学: オペラ本編では、このヴァイオリン演奏は「オルフェが妻に向かって『僕の演奏を聞いてくれ!』とドヤ顔で弾きまくる場面」です。あまりに夫のヴァイオリンが嫌いな妻は「その下手な演奏をやめて!」と耳を塞いで嫌がります。客席には甘美で美しいソロに聴こえますが、物語上は「騒音攻撃」というギャップがあります。
③ 一番有名な「フレンチカンカン」(終盤)
日本では運動会の徒競走でおなじみの超高速パートです。
-
業界裏話(テンポとの戦い): 指揮者によってテンポ設定が大きく変わります。速ければ速いほど観客は盛り上がりますが、奏者(特に弦楽器の細かな16分音符や、金管楽器のトリル)は「指と舌が回らなくなるギリギリのバトル」を繰り広げています。
-
打楽器(シンバル・大太鼓・小太鼓)の躍動: 踊り子が脚を高く跳ね上げるシーン(ギャロップ)を表現しているため、打楽器チームのノリとキレが曲全体のグルーヴ感を左右します。
3. 今回の動画(Orchestra of Spring)の魅力
アマチュアオーケストラである「春オケ」の演奏は、コンセプトでもある「発信し合う音楽作り」が表れており、以下の点が見どころです。
-
鈴木 衛 氏の指揮とアンサンブル: 緩急の激しい曲展開(冒頭の緊張感 ➔ ソロの歌い込み ➔ 狂熱のフィナーレ)をしっかりコントロールしつつ、オケ全体の高い集中力が感じられます。
-
ホール響きと撮影: G.K.WORKSによる撮影・音響収録が入っており、金管の華やかさや管楽器ソロのニュアンスが鮮明に捉えられています。
動画( https://www.youtube.com/watch?v=UHXpwttofxY )を観る際は、ぜひ「物語のパロディ感」や「各楽器ソロのスポットライト」、そして終盤の怒涛のラッシュに注目してみてください!
https://www.youtube.com/shorts/JVriwcOeN1c ーーーーー ここで、バック音楽は、「天国と地獄」ですか?、その由来も、含めて、雑学や業界話を交えながら解説してください、
ご提示のリンクは、YouTube の Shorts を開いて中の映像や音声を確認することができませんでした。検索でも該当動画は見つかっていません。そのため、この動画のBGMが「天国と地獄」かどうかは、私からは断定できません。以下では、「天国と地獄」という曲そのものの由来と雑学をまとめます。
「天国と地獄」とはどんな曲か
正式には、ジャック・オッフェンバック作曲のオペレッタ『地獄のオルフェ(天国と地獄)』(1858年パリ初演)の中の「地獄のギャロップ」という場面の音楽です。運動会でおなじみのあの駆け足のメロディは、この曲の終盤部分にあたります。
- 邦題は少しずれています。 原題は「地獄のオルフェ」で、直訳すれば『地獄のオルフェウス』です。「天国」は出てきません。日本では『天国と地獄』の題で定着しました。
- 原作はギリシャ神話とオペラのパロディです。 冥界へ妻を迎えに行く名手オルフェウスの物語を、グルックの名作オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』ごと茶化した作品です。オルフェは愛妻家ではなく、妻を疎ましく思っている設定になっています。
- 時代風刺も含んでいます。 神々の姿にナポレオン3世の第二帝政の人々を重ねた風刺だと受け取られました。
- 炎上が宣伝になりました。 評論家が「神聖な古典への冒涜だ」と批判したところ、かえって話題になり、大ヒットしたと伝えられています。
- 有名な序曲は、実はオッフェンバックの原曲そのままではありません。 現在よく演奏される序曲は、1860年のウィーン上演の際にカール・ビンダーが編曲したものです。
- 「地獄のギャロップ」が終幕のフィナーレです。 神々や冥界の住人が入り乱れて踊る場面で、これが後にフレンチ・カンカンの代名詞になりました。ムーラン・ルージュのイメージもここから来ています。
日本での雑学
- 運動会BGMの定番になりました。 速いテンポの2拍子で、走る場面によく合います。追い上げ感や高揚感が出ることも理由と言われます。
- 黒澤明の映画『天国と地獄』(1963年)とは無関係です。 英題は "High and Low" で、映画の題名は身分や境遇の差(高台に住む者と、低地に住む者)を表しています。曲の題名とは別物です。
- バラエティやアニメの追いかけっこ、ドタバタ演出の定番でもあります。 喜劇的な暴走感をひと言で伝えられるので、Shortsのように短い尺の動画とも相性が良い曲です。
業界話
- 作曲家の権利は切れています。 オッフェンバックは1880年没で、著作権の保護期間が過ぎています(日本は没後70年)。そのため、映像制作者が使いやすい曲として重宝されます。
- 録音は別です。 演奏や録音には別の権利(著作隣接権)があり、YouTube の Content ID に引っかかることがあります。クラシックだから自由に使える、とは限りません。
- フリー素材や制作用ライブラリーの音源が使われることも多いです。 その場合、動画で聞いた曲が実は「天国と地獄」のアレンジ版だった、ということもあります。
動画のBGMを確かめるには
「天国と地獄」と似た雰囲気の曲もあるため、次のいずれかを教えてもらえれば、もう少し具体的にお答えできます。
- 動画のタイトルやチャンネル名
- メロディの特徴(ゆったりしたヴァイオリンの導入から急に速くなる、など)
- 概要欄やコメント欄にある曲名情報
音楽認識アプリ(Shazam など)にかければ、曲名はすぐ分かります。
- 原題は『地獄のオルフェ(Orphée aux Enfers)』 日本では『天国と地獄』というタイトルで定着していますが、原題を直訳すると『地獄のオルフェ』です。ギリシャ神話の「妻を救うために地獄へ向かう琴の名手オルフェウス(オルフェ)」の悲劇をベースにしています。
- 実は「ドタバタ不倫&夫婦喧嘩コメディ」 神話のオルフェウスは愛妻家ですが、オッフェンバックのオペレッタでは「お互いに浮気しまくっていて冷め切った冷戦状態の夫婦」というパロディ設定。妻ユリディスが地獄の王に連れ去られた時、オルフェは「ラッキー!」と喜びますが、「世間体(世論)」に無理やり迫られて仕方なく救出しに行く……というブラックユーモア全開のストーリーです。 ーーーーー これは、日本神話の、天野磐戸と、雨のウズメ神話に、似ていますか?、それとも、イザナミ、なんとか神話にも、似ていますか?、雑学や業界話を、交えながら解説してください、
面白い視点です。
結論から言うと、『地獄のオルフェ』に一番近いのは「イザナギ・イザナミの黄泉国神話」です。 一方で、天岩戸(アマノイワト)とアメノウズメの神話とは「笑いで場面をひっくり返す」という点だけが少し似ています。
比較するとこんな感じです。
| 地獄のオルフェ | イザナギ・イザナミ | 天岩戸・アメノウズメ |
|---|---|---|
| 妻を迎えに冥界へ行く | 妻を迎えに黄泉国へ行く | 隠れた神を外へ誘い出す |
| 本来は悲劇の神話 | 日本神話でも悲劇 | 日本神話では再生・祝祭 |
| オッフェンバックがギャグ化 | 原典はシリアス | 元から祭り的要素が強い |
| 「見てはいけない」要素はない | 「見るな」と言われて見る | 「踊り」で問題解決 |
一番似ているのは「イザナギ・イザナミ」
ギリシャ神話のオルフェウスは、
- 妻が死ぬ
- 冥界へ行く
- 妻を連れて帰ろうとする
- 最後に失敗する
という物語です。
日本神話では、
イザナミが火の神を産んで亡くなり、**黄泉国(よみのくに)**へ行ってしまいます。
イザナギは妻を取り戻すため黄泉国へ向かいます。
しかし、
「決して私を見ないでください」
と言われるのに我慢できず見てしまい、腐敗したイザナミの姿を見て逃げ帰る。
結果、
夫婦は完全に決別します。
これは世界神話学では**「冥界下り(Descensus ad Inferos)」**という非常に有名なモチーフです。
実は、
- オルフェウス
- イザナギ
- シュメール神話
- メソポタミア神話
など世界中に似た話があります。
違うのは「夫婦仲」
ここがオッフェンバック最大のジョークです。
原作では
オルフェウス=究極の愛妻家
です。
ところがオッフェンバック版では
- 夫も浮気
- 妻も浮気
- お互い嫌い
という設定。
つまり
「妻を助けたくない主人公」
になっています。
これが1858年当時としてはかなり過激でした。
「世論(Public Opinion)」というキャラクターまで出てくる
もっと面白いのは、
この作品には
「世論」
という人格化されたキャラクターが登場します。
彼女が
「夫なんだから迎えに行きなさい!」
とオルフェを叱ります。
オルフェは
「本当は行きたくないのに……」
という状態。
つまり
世間体のためだけに妻を助けに行くという、とんでもない風刺劇になっています。
19世紀フランスでは、こうした「社会そのものを登場人物にする」演出は、観客に「わかる人にはわかる」皮肉として大いに受けました。
天岩戸神話との共通点
こちらは構造よりも演出が似ています。
天照大神が岩戸に隠れると世界は真っ暗になります。
そこで
アメノウズメが
- 大騒ぎする
- 踊る
- 神々が爆笑する
すると
天照大神が
「何がそんなに面白いの?」
と顔を出します。
つまり
笑いで世界を救う話です。
『地獄のオルフェ』も
本来なら泣く場面を
笑いに変えてしまう作品。
この
「悲劇を笑いに変える」
という発想はかなり近いです。
特に「カンカン」が象徴的
『天国と地獄』と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、有名な「カンカン」の曲でしょう。
地獄では神々も人間も大騒ぎし、踊りまくります。
本来なら恐ろしい場所であるはずの冥界が
巨大な宴会場
になっているのです。
これは
天岩戸で
神々が宴会を開いて大笑いする場面にも少し似ています。
「神様が真面目ではなく、騒ぎ、踊り、笑う」という描き方は、意外にも共通しています。
業界話:この作品は「パロディ神話」の代表作
オペラやミュージカルの世界では、『地獄のオルフェ』は**「神話を徹底的に茶化した作品」の代表格**として知られています。
当時の観客はギリシャ神話を学校教育でよく知っていたため、悲劇として有名なオルフェウス伝説が「夫婦喧嘩コメディ」になっていること自体が大きな笑いでした。いわば、誰もが知る名作を大胆に崩す「パロディ」の先駆けです。
日本に置き換えるなら、
- イザナギが「本当は黄泉に行きたくない」と愚痴をこぼす
- イザナミが「帰る気なんてないわ」と言い返す
- 神々が横から「世間体があるでしょう」と口を挟む
……というような、古典神話を現代風のブラックコメディに仕立て直したような感覚に近いでしょう。
雑学:日本題『天国と地獄』は少し誤解を招く
日本では序曲があまりにも有名になったため、作品全体が『天国と地獄』という題名で定着しました。しかし、原題は『地獄のオルフェ(Orphée aux Enfers)』で、物語の中心はオルフェウス神話の痛烈なパロディです。「天国(オリュンポス)と地獄(冥界)の両方が舞台になる」ことから日本題も内容をある程度表していますが、作品の焦点は「地獄へ向かうオルフェ」と「神々や人間社会への風刺」にあります。
ですから、日本神話との対応でいえば、物語の骨格は「イザナギ・イザナミの黄泉国神話」に最も近く、笑いと祝祭の演出という点では「天岩戸・アメノウズメ神話」と通じる部分がある、というのが最も的確な見方だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿