とても寺山修司らしい一節ですね。実は、この言葉は寺山修司自身の創作ではなく、フランスの作家・思想家アンドレ・マルローの言葉を、寺山修司が『ポケットに名言を』で紹介したものです。寺山は「自分の名言」ではなく、「人生を変える他人の言葉」を集める名人でもありました。
「夜、夢を見る者は、夜明けに目を覚ますと一切が空しいということに気が付く。ところが、白昼夢を見る者は危険である。なぜなら、彼らは目を開けたまま夢を演じ、それを実現してしまうからである。」 (アンドレ・マルロー)
では、この言葉を雑学や業界話も交えながら見ていきましょう😊
「白昼夢」とは何か?
普通「白昼夢」というと、授業中や会議中にぼんやり空想することを思い浮かべます。
しかし、マルローや寺山のいう「白昼夢」は違います。
**「現実の中で、自分の夢を本気で実現しようとする人」**のことです。
だから「危険」なのです。
危険というのは「悪い人」という意味ではありません。
常識を壊してしまう存在という意味です。
寺山修司自身が「危険な人」だった
寺山修司は劇団「天井桟敷」で、劇場を飛び出し、街そのものを舞台にするような前衛演劇を数多く作りました。
今なら「イマーシブシアター(観客参加型演劇)」と言われるような手法ですが、1970年代にすでに実践していたのです。
つまり、
「こんな演劇があったらいいな」
では終わらず、
本当に作ってしまった。
まさに「白昼夢を現実にした人」でした。
IT業界でも「危険な人」が世界を変える
例えば、
- 「家にいながら買い物ができる。」
- 「電話が財布になる。」
- 「AIが会話する。」
20~30年前なら、
「そんなの夢物語だ。」
と言われたでしょう。
ところが、それを本気で信じて作った人たちがいました。
最初は変人扱い。
しかし最後には、
「世界標準」
になってしまいました。
業界では、
「クレイジーに見えるアイデアほど、大成功することがある。」
という話は珍しくありません。
映画業界の裏話
映画監督は撮影前に絵コンテを書きます。
あれは一種の「白昼夢」です。
まだ存在しない映画を、
頭の中では完成させています。
スタッフは、その夢を一枚ずつ現実へ変えていきます。
だから映画づくりは、
「集団で見る白昼夢」
とも言われます。
スポーツの世界でも同じ
イチロー選手や大谷翔平選手がよく語る
「イメージトレーニング」
も白昼夢の一種です。
頭の中では何百回もホームランを打ち、
実際の試合で身体がその通りに動く。
脳科学でも、イメージと実際の運動は共通する脳の働きがあることが知られています。
つまり、
夢を見るだけではなく、
夢を現実へ近づける準備なのです。
寺山修司なら、こう言うかもしれません
寺山は『ポケットに名言を』の中で、
「言葉を友人に持ちたいと思うことがある。」
とも書いています。
夢は一人で見るものではありますが、
その夢を支えるのは、
本だったり、
映画だったり、
誰かの一言だったりします。
だから寺山は名言を集め続けたのでしょう。
😊この言葉から学べること
「夜の夢」は、朝になれば消えてしまいます。
しかし「白昼夢」は、
目を開けたまま見る夢です。
設計図を書き、
勉強し、
挑戦し、
失敗し、
また挑戦する。
その積み重ねによって、夢は現実になります。
だからマルローは、そのような人を**「危険である」**と言いました。
社会の常識や限界を軽々と飛び越えてしまうからです。
そして、その「危険さ」こそが、寺山修司が最も愛した生き方だったのではないでしょうか。夢を見るだけでなく、夢に現実のほうを近づけてしまう人──それが、寺山のいう本当の「白昼夢を見る者」の姿なのです。
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