その発言は、「恋人より肉親のほうが信用できる」という趣旨だった可能性はありますが、私が確認できる範囲では、そのままの言葉で語った記録は見つかりませんでした。 インタビューや講演では、家族や仲間との縁、人との信頼について語ることは多いようです。
ただ、渡辺正行さん(「リーダー」)の人生を振り返ると、そのような考え方につながる背景は想像できます。
まず、渡辺さんは明治大学経営学部の出身です。高校3年の秋から猛勉強し、明治大学へ進学したことは有名なエピソードです。大学では落語研究会に入り、それが人生の転機となりました。そこで小宮孝泰さんや先輩の立川志の輔さんらと出会い、後にラサール石井さんと「コント赤信号」を結成します。
ここで面白い雑学があります。
芸能界では「血縁より芸縁」という言葉が使われることがあります。家族ではなく、長年苦楽を共にした仲間との絆を大切にする世界です。しかし渡辺さんは、若手芸人を育てながらも「自分が育てたわけではなく、場所を提供しただけ」と謙虚に語る人です。人を過信しすぎず、それぞれの力を尊重する姿勢が一貫しています。
一方で心理学では、「血縁選択(Kin Selection)」という考え方があります。生物学者のウィリアム・ハミルトンが提唱した理論で、「遺伝的に近い相手ほど助け合う傾向がある」というものです。もちろん人間社会では恋人や配偶者との信頼関係も非常に強いものですが、「最後は家族が支えになる」と考える人が少なくないのも、この理論と無関係ではありません。
芸能界でも、若い頃は恋愛や交友関係の話が多くても、年齢を重ねるにつれて「家族のありがたさ」を語る人が増えます。実際、近年の渡辺さんもテレビでは妻や娘さんとのエピソードを穏やかに話すことが多くなっています。
ですから、もし渡辺さんが「恋人より肉親のほうが信用できる」といった趣旨を話していたとしても、それは**「恋人は信用できない」という意味ではなく、人生経験を積んだ結果、最後まで付き合うことになる家族の存在を実感した**という文脈だった可能性が高いと思われます。
なお、渡辺さんは高学歴というよりも、「勉強だけの秀才」ではなく、剣道で培った礼節と、落研で培った人間観察力、そして40年以上にわたる芸能界での経験が合わさったタイプの知性を持つ人物として評価されています。そのため、人生論を語るときも、机上の理屈より実体験に基づいた言葉が多いのが特徴です。
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