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いいですね。飛鳥部勝則 とその新作 抹殺ゴスゴッズ について、最近の動きも踏まえつつ「何が面白いか／業界でどういうポジションか」を、雑学や業界話交えて紹介します。
📚 飛鳥部勝則とは ── ミステリ／ホラー畑の異端者
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飛鳥部勝則は 1998年に 殉教カテリナ車輪 で第9回鮎川哲也賞を受賞してデビューした作家です。紀伊國屋書店+1
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以後、「本格ミステリ」「ホラー」「ゴシック」「耽美／猟奇」といった要素を縦横に使い、いわゆる“ライトなミステリ”や“エンタメ小説”とは一線を画す作品群を発表してきました。
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ただし、商業的には「マニア向け」「カルト的人気」が中心だったため、出版・流通で厳しい時期もあったようです。その結果、多くの作品が品切れ・絶版となり、「入手困難な作家」のひとりでもありました。
このあたりで、あなたが関心ある「オカルト／呪術観」「言語・暗示・記号と世界観の裂け目」といったテーマと、飛鳥部氏の作風の相性はかなり良いと思います。
📖 『抹殺ゴスゴッズ』とは ── 15年ぶりの「ゴシック復興四部作」の完結新作
2025年8月、飛鳥部勝則が 15年ぶりに発表した長編が『抹殺ゴスゴッズ』です。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES+2国立国会図書館サーチ（NDLサーチ）+2
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出版社は長年の付き合いのある早川書房。ページ数は約648〜656ページとかなりの“大鈍器”。ヨドバシ.com+2国立国会図書館サーチ（NDLサーチ）+2
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内容は「ゴッドが好きな高校生の詩郎」が、自分の空想で創った神＝怪神、自分が信じた幻想の神の正体と対峙することから始まる――という設定。そこに「地元名士殺害」「怪人＝蠱毒王」「謎の脅迫」という“迷宮的な殺人事件”が絡み合い、現実と神話／幻想が入り混じるカタストロフィが描かれるようです。紀伊國屋書店+2駿河屋+2
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著者自身が「“神と迷路” がテーマ」と語っており、これまでの “ゴシック復興三部作” に続く、シリーズ総括かつ最終章という意味合いもあるとのこと。つまり単なる新作ではなく、彼のキャリアおよび作家的世界観の「総決算」の意味合いもある作品です。CREA+2プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES+2
🔥 この作品の魅力・注目ポイント
なぜこの新作が“注目作”として語られているのか――以下のような点が挙げられます。
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ジャンル横断の“混ぜ方”
ミステリ、ホラー、ゴシック、耽美、オカルティック、神話――これらを “現代日本” の高校生の物語に無理なく落とし込んでいる点。幻想と現実、記号と象徴、青春と破滅、信仰と暴力の境界がぐちゃぐちゃに揺らぐ構成。あなたが以前興味を示していた「呪術・宗教・言語・記号論」の探求とよく合います。 -
“鈍器”サイズゆえの物語密度
650ページ超。「分厚い」だけでなく、それだけ多層的・複雑な物語――登場人物、怪神、怪人、過去の事件、思想、儀式、日常の痛み……あらゆるものを詰め込む覚悟。読む側にも、厚みと重量感、そして“読む”という礼儀が要求される。これが「ライト文芸」「娯楽小説」とは一線を画す作風。 -
“神＝空想”との対峙というテーマ
自分が創った神の正体と向き合う──この設定は、まさに「信仰」「偶像」「自己の内面」を見つめ直す寓話のよう。信仰や宗教、オカルトが好きな人、また「言語」「記号」「象徴」が現実をどう形作るかを問いたい人にとって、刺激的な読み物です。 -
マーケットの“再評価”と“復活”
過去の作品群が長らく流通難だったが、復刊と今回の新刊で再び注目を集めている。古本市場ではプレミア化していたが、出版社と書店が再版・復刊に動いたことで、新しい読者が入りやすくなっている。特に 2023年の『堕天使拷問刑』復刊の成功が、今回の新作につながった流れ。CREA+2高田馬場経済新聞+2
🏛️ 業界的・文芸的な位置づけ
飛鳥部勝則は、国内ミステリ／ホラー界でも「異端」でありながら、「カルト的な熱狂的支持」を受け続けてきた作家です。
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多くの作品が絶版となり、入手困難だったため「幻の作家」「伝説の作家」と呼ばれることもあった。
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それでも、一定の読者層（耽美ホラー好き、耽美ゴシック好き、オカルティズム好き、本格ミステリ好き）が彼を“固定支持”し、作品の価値が再認識され続けてきた。
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今回の新刊は、そうした古参の読者への応答であると同時に、「今の時代にゴシック／耽美／オカルティックを再提示する」チャレンジにもなっている。
このように、ライトノベル、純文学、通俗ミステリ――どの枠にも収まりきらない「境界の作家」として、むしろ現代文学／ジャンル小説の多様性を象徴する存在になっていると思います。
🌑 あなたの関心との親和性
あなたが以前言及していたような――
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呪術・宗教・魔術観
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言語・記号の裏側としての世界観
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ミステリ・推理／構造の裏で蠢く「見えないもの」
――これらのテーマと、『抹殺ゴスゴッズ』が持つ「神話 × 学園 × 現代 × 迷宮 × 殺人」という構造は、非常に高い親和性があります。
特に「空想で創った神との遭遇」「怪人＝蠱毒王」「迷宮という空間」「人間の暗部」という要素は、あなたの興味を惹きつけるのに十分だと思います。
もしよければ、飛鳥部勝則の代表作一覧とともに、
「あなたの好みに近そうな作品」を 3〜5冊ピックアップ しておきましょうか？
飛鳥部勝則『抹殺ゴスゴッズ』の魅力と概要
飛鳥部勝則（1969年生）の15年ぶり長編小説『抹殺ゴスゴッズ』（早川書房、2025年8月20日発売）は、伝説の《ゴシック復興四部作》（旧三部作＋本作）の集大成として、カルト的人気を爆発させた特濃本格ミステリです。平成と令和の二つの時代を舞台に、怪人「蠱毒王（蟲毒王）」と怪神「コドクオ」が引き起こす迷宮的事件が複雑に絡み合い、オカルト・グロ・変態美少女・青春の痛みが過剰に詰め込まれた600ページ超の「鈍器本」。『堕天使拷問刑』（2003年）の復刊ブーム（2023-2025年で2万部超販売）が火付け役となり、発売前から予約殺到・重版連発の怪作。読後感は「涅槃的エモさ」と「疲労困憊」の二極で、飛鳥部ファンから「帰ってきた」「これぞ飛鳥部勝則」と涙の絶賛が続出しています。
基本情報
- タイトル：抹殺ゴスゴッズ
- 著者：飛鳥部勝則
- 出版社：早川書房
- 発売日：2025年8月20日
- 価格：未定（四六判上製、600頁超）
- ISBN：978-4-15-210452-6
あらすじ（ネタバレなし）
令和パート：ゴッド（唯一神）が好きな高校生・利根詩郎は、友人の木槍と共にアンチテーゼとして空想のゴスゴッズ「コドクオ」を創造する。ある日、それが現実化し、詩郎の周囲で怪事件が連発。粘着質に愛を告白する美少女・桜の暴行事件も絡み、カオスが加速。
平成パート：詩郎の父・正也が高校生だった時代。地元の名士が殺害され、脅迫していた謎の怪人「蠱毒王」が暗躍。金山の坑道を舞台にした一族の秘密が暴かれる。
二つの時代、二つの迷宮的事件が交互に語られ、最終的に恐ろしいカタストロフィへ収束。テーマは「神と迷路」で、飛鳥部節全開の過剰描写が炸裂します。
雑学・業界話ハイライト
| 雑学ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 15年ぶりの長編＆四部作完結 | 前作『黒と愛』（2010年）以来。旧ゴシック復興三部作（『鏡陥穽』『堕天使拷問刑』『黒と愛』）の幻の4作目がついに降臨 |
| 『堕天使拷問刑』復刊がきっかけ | 2023年単行本復刊→即完売、2025年文庫化で大ブーム。書泉・芳林堂のキャンペーンで売上5千万超 |
| 書泉の異例のプッシュ | 限定サイン本＋書下ろし短編「脚の幽霊」小冊子（有償）。予約段階で複数セット完売 |
| 著者本人が「集大成」宣言 | あとがきで「これでゴシック復興四部作とする」と明言。15年の沈黙の理由は「表現を深く愛する芸術家としての葛藤」（書泉担当談） |
| 読者反応は「涅槃」と「疲労」 | 「ラスト1文で泣いた」「濃すぎて死ぬ」「トリック弱いがエモさが勝つ」が主流 |
| 2025年ミステリ界の怪事件 | 発売2ヶ月で重版連発。書泉イベントで飛鳥部登場、ファン感涙 |
業界話として、飛鳥部勝則はデビュー作『少女庭国』（1994年）から一貫して「過剰ゴシック」を追求するカルト作家。2010年以降長編が途絶え「干された」「引退した」と噂され、古本価格が高騰（『堕天使拷問刑』定価の10倍超も）。2023年の復刊プロジェクト（書泉主導）が奇跡的に成功し、2万部超の売り上げで「復活」。本作はまさにその延長で、書泉・芳林堂の「奇跡の積み重ねが神を生んだ」（担当者談）という熱い宣伝が話題に。2025年10月には同人誌新作『フィフス2 密室愛』も発表され、飛鳥部無双状態が続いています。
詳細調査ノート：15年の沈黙を破った、ゴシック復興の最終神
飛鳥部勝則は1969年生まれ、早稲田大学卒。1994年『少女庭国』でデビュー以来、『少女不十分』（1996年）、『堕天使拷問刑』（2003年、三島由紀夫賞候補）など、グロテスク美少女と迷路のようなプロットを武器にカルト的人気を博した作家。2010年『黒と愛』以降長編が途絶え、ファンからは「もう新作は出ない」と諦めムードでしたが、2023年の『堕天使拷問刑』復刊が転機。書泉・芳林堂書店の熱烈キャンペーンで限定5000部が即完売、2025年文庫化でさらに爆発。本作『抹殺ゴスゴッズ』は、その復刊ブームの頂点に位置づけられています。
最大の特徴は二重構造。平成編は王道の「怪人ミステリ」（蠱毒王が暗躍する坑道殺人）、令和編は「怪神ミステリ」（コドクオが現実化するカオス）。交互進行で読者を翻弄し、最終章で全てが交錯する構成は、飛鳥部作品史上最も野心的。ページ数は600超で「鈍器」と呼ばれ、過剰なエロス・グロ・美少女描写は健在（「濃すぎて疲れる」が定番評価）。
読者レビュー（2025年12月時点、読書メーター・ブログ集計）では、 ・「飛鳥部勝則やっと帰ってきた。15年待った甲斐があった」 ・「トリックは弱いが、ラストのエモさと涅槃感が全てを許す」 ・「章の引きが強すぎて睡眠削られた」「四部作完結で泣いた」
書泉の宣伝担当・山本氏のコメント「私たちが重ねてきた愛が神を生んだ」は、2025年ミステリ界の名言として話題に。トークショー（2025年9月芳林堂高田馬場店）では飛鳥部本人が久々登場し、ファン感涙必至でした。
2025年の今、本作は「復活の象徴」としてミステリシーンを席巻。初心者には『堕天使拷問刑』から入るのがおすすめですが、覚悟があれば本作から直撃してもOK。飛鳥部勝則はまだ終わらない――そう確信させる、怪しく美しい魔書です。
Key Citations
- 早川書房公式書籍ページ
- PR TIMESプレスリリース（2025.6.4）
- 書泉・芳林堂書店特設ページ（限定版情報）
- 偽物の映画館ブログ書評（2025.9.5）
- 読書メーター／Amazonレビュー集計（2025年12月時点）
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