了解です。
**「Webエンジニアにとってのネットワークとモニタリングの基礎」**を、
実務で“刺さるポイント”と業界あるある、ちょっとした雑学を混ぜて解説します。
1. なぜWebエンジニアにネットワーク知識が必要なのか
業界あるある
-
「アプリのコードは何も変えてないのに遅い」
-
「ローカルでは動く」
-
「再起動したら直った(←本当は直ってない)」
この9割は
👉 ネットワーク or インフラ or 監視不足です。
ネットワークを知らないと起きる悲劇
| 症状 |
実は |
| APIが遅い |
DNS遅延 / TCP再送 |
| たまに落ちる |
LBのヘルスチェック失敗 |
| 本番だけエラー |
セキュリティグループ |
| 繋がらない |
ポート閉じてる |
2. Webエンジニアが最低限知るべきネットワーク基礎
① OSI参照モデル(超重要だけど覚え方が雑学向き)
| 層 |
例 |
Web的に |
| L7 |
HTTP / HTTPS |
あなたの仕事 |
| L4 |
TCP / UDP |
ポート・再送 |
| L3 |
IP |
サブネット |
| L2 |
MAC |
同一ネットワーク |
| L1 |
ケーブル |
神の領域 |
💬 業界ネタ
「L7で考えてると一生“なぜ繋がらないか”が分からない」
② TCPとHTTP(地味だけどボトルネックの王)
TCPで起きがちな問題
-
3-wayハンドシェイク遅延
-
パケットロス → 再送
-
コネクション枯渇
💡 雑学
-
HTTP/1.1は接続再利用
-
HTTP/2は多重化
-
HTTP/3はUDP(QUIC)
👉 「HTTP/3にしたら速くなる」は半分嘘
→ ネットワーク品質が悪いと逆効果
③ DNS(“最初に遅い原因ランキング1位”)
DNSの実態
-
キャッシュ切れ → 遅い
-
TTL短すぎ → 地獄
-
社内DNS → 闇
💬 業界話
「APIが遅い?」
→ dig 打て
→ 8割DNS
④ Load Balancer(Webの門番)
役割
💥 ありがち事故
-
ヘルスチェックURLが重い
-
認証必須URLを指定
-
タイムアウト短すぎ
3. モニタリングとは何か(=未来を見る技術)
モニタリングの本質
「障害を早く知る」ではなく
「障害になる前に気づく」
① 監視の3本柱(超重要)
| 種類 |
例 |
| メトリクス |
CPU / メモリ / レイテンシ |
| ログ |
エラー / アクセス |
| トレース |
リクエスト経路 |
💬 業界名言
「ログだけ見てる人は“事後対応”」
② SLI / SLO / SLA(最近の必須教養)
超ざっくり
-
SLI:計測値(例:成功率)
-
SLO:目標(99.9%)
-
SLA:契約(違反すると罰)
💡 Google由来
-
「100%可用性は不要」という思想
-
障害は前提、コントロールが仕事
③ アラート疲れ問題
悪いアラート
-
CPU 80%超え
-
一瞬のエラー
-
夜中に鳴るが放置
良いアラート
💬 現場の本音
「アラートが多い=安心」ではない
「鳴らないとヤバいアラートだけ鳴れ」
4. Webエンジニア視点で見る実践モニタリング
① “コードに近い”監視ポイント
-
レスポンスタイム(p95 / p99)
-
エラー率(4xx / 5xx)
-
DBクエリ時間
-
外部API遅延
👉 「平均値」は嘘つき
② 分散トレーシング(本番の探偵)
見える化できること
💡 雑学
5. ネットワーク×モニタリングの“地獄絵図”
| 事象 |
原因 |
| 急に遅い |
ネットワーク輻輳 |
| たまに失敗 |
TCP再送 |
| 夜だけ遅い |
バッチ集中 |
| 海外だけ遅い |
DNS / CDN |
👉 「再現しないバグ」はだいたいネットワーク
6. Webエンジニア的・最低限覚えるチェックリスト
ネットワーク
-
TCP / HTTPの違い
-
DNSの流れ
-
ポートとFW
-
LBの仕組み
モニタリング
7. 最後に(業界のリアル)
良いWebエンジニアとは
-
コードが書ける人 ❌
-
障害を早く直す人 ❌
-
障害を予測できる人 ⭕
ネットワークとモニタリングは
「責任を持てるエンジニア」への分水嶺です。
もしよければ次は
-
「Webエンジニアが障害対応で評価される瞬間」
-
「監視を入れた瞬間にチームが荒れる理由」
-
「モニタリングは政治である」
…この辺も深掘りできます。
Webエンジニアのためのネットワークとモニタリングの基礎知識
Webエンジニアとして、フロントエンドやバックエンドのコードを書くだけでなく、アプリケーションがどのようにインターネット上で動作し、安定して稼働するかを理解するのは必須です。ネットワークはデータの「道路」、モニタリングは「監視カメラ」のようなもので、これらを無視すると、ユーザーが離脱したり、セキュリティホールができたりします。実際、業界では「コードは完璧でもネットワークがボトルネックでサービスダウン」という話がよくあります。例えば、2010年代のスタートアップブームで、多くのWebサービスが急成長したものの、ネットワークのスケーリングを甘く見て大規模障害を起こしたケースが山ほどあります(例: Twitterの初期の「Fail Whale」エラー画面は、ネットワーク負荷が原因の象徴でした)。ここでは、基礎を解説しつつ、そんな雑学や業界話を交えていきます。
1. ネットワークの基礎知識
ネットワークは、Webアプリがクライアント(ブラウザ)とサーバー間でデータをやり取りするための基盤です。まずはTCP/IPモデルを理解しましょう。これはインターネットの標準プロトコルで、4つのレイヤー(アプリケーション、トランスポート、インターネット、リンク)からなります。Webエンジニア視点では、特に上位レイヤーが重要です。
- HTTP/HTTPSの基本: Webの通信プロトコル。HTTPはプレーンテキストでデータを送るが、HTTPSはSSL/TLSで暗号化します。雑学として、HTTPSの普及はGoogleが2014年に検索ランキングの要素にしたのがきっかけで、業界では「HTTPS化しないとSEOで死ぬ」と叫ばれました。実際、ChromeブラウザがHTTPサイトを「安全でない」と表示するようになったのもこの頃。エンジニアの業界話: ある大企業でHTTPS移行を怠り、マンインザミドル攻撃で顧客データ漏洩した事件があり、それ以降「証明書管理は命綱」と教訓化されています。ツールとして、Let's Encryptのような無料CA(認証局)が登場して、昔の有料証明書の高額時代が懐かしいですね。
- DNS (Domain Name System): ドメイン名(例: example.com)をIPアドレスに変換する仕組み。Webエンジニアは、Aレコード、CNAME、MXなどのレコードタイプを知っておくべき。雑学: DNSは1983年にポール・モカペトリスが発明しましたが、初期のインターネットはhosts.txtファイルで管理されていて、手動更新だったんです。業界話: CloudflareのようなCDN(Content Delivery Network)企業がDNSを高速化するサービスを提供し、Webサイトのロード時間を数秒短縮するだけでコンバージョン率が上がるというデータがよく共有されます。あるスタートアップでは、DNS設定ミスでサイトが丸一日ダウンし、CEOがエンジニアに土下座したエピソードが語り草です。
- IPアドレスとサブネット: IPv4(例: 192.168.0.1)は32ビット、IPv6は128ビット。サブネットマスク(/24など)でネットワークを分割します。Webエンジニアは、VPC(Virtual Private Cloud)やファイアウォール設定でこれを使います。雑学: IPv4アドレスが枯渇しそうになった90年代、NAT(Network Address Translation)が救世主となりましたが、今はIPv6移行が遅れている業界の「宿題」。業界話: AWSやGCPでIPアドレスを誤って公開設定し、DDoS攻撃を受けた話は日常茶飯事。あるハッカーカンファレンスで、参加者が互いのIPをスキャンして遊ぶ「IPハンティング」ゲームが流行ったとか。
- TCP/UDPとポート: TCPは信頼性が高く(3ウェイハンドシェイク)、UDPは速いが信頼性低い。Webは主にTCPのポート80(HTTP)や443(HTTPS)を使います。雑学: TCPの「SYN洪水」攻撃は、90年代のDoS攻撃の定番で、今もファイアウォールで防ぐ基本。業界話: NetflixのようなストリーミングサービスはUDP(QUICプロトコル)で高速化を図り、HTTP/3の時代へ。あるエンジニアが「TCPのハンドシェイクは初デートみたい、互いに確認し合って進む」と例えて笑いを誘ったプレゼンがありました。
ネットワークのトラブルシューティングツールとして、ping、traceroute、curlを知っておきましょう。業界では、ネットワーク障害の80%が設定ミスという「Paretoの法則」みたいな話がよく出ます。
2. モニタリングの基礎知識
モニタリングは、システムの健康状態を監視し、問題を早期発見するためのもの。Webエンジニアは、アプリケーションのレスポンスタイムやエラーレートを追跡します。主に3つの柱: メトリクス(数値データ)、ログ(イベント記録)、トレース(リクエストの追跡)。
- メトリクスの監視: CPU使用率、メモリ、ディスクI/O、ネットワークトラフィックなどを測定。ツールとしてPrometheus(オープンソースの時系列DB)とGrafana(ダッシュボード)が人気。雑学: Prometheusはギリシャ神話の神から名付けられ、「火を盗む」ようにデータを「盗み取る」イメージ。業界話: GoogleのSRE(Site Reliability Engineering)本で提唱された「Golden Signals」(Latency, Traffic, Errors, Saturation)がモニタリングのバイブルで、多くのWebチームがこれを採用。ある会社でメトリクス無視してスケーリングしたら、ブラックフライデーにサーバー爆発(比喩)した失敗談があります。
- ログ管理: アプリケーションのログを収集・分析。ELKスタック(Elasticsearch, Logstash, Kibana)が定番。雑学: ログは「船の航海日誌」から来ていて、昔のコンピュータログも紙テープだった時代があります。業界話: DatadogやSplunkのような有料ツールが台頭し、無料のGraylogで済ませようとしてログ洪水でシステムクラッシュしたエンジニアの「ログ地獄」話がSNSでシェアされます。Webアプリでは、ログに個人情報を入れないようGDPR対応が必須で、EU圏のエンジニアはこれで頭を抱えます。
- アラートとオブザーバビリティ: 閾値を超えたらSlackやメールで通知。New RelicやSentryでエラートラッキング。雑学: 「オブザーバビリティ」は天文学から借りた用語で、システムの「内部状態を観測」する意味。業界話: 2020年代のマイクロサービスブームで、分散トレーシング(JaegerやZipkin)が欠かせなくなり、Kubernetes環境でモニタリングを怠ると「サービス迷子」になる。あるDevOpsエンジニアが「モニタリングは保険、払わないと後悔する」とブログで書いたのがバズりました。
モニタリングのベストプラクティス: SLO(Service Level Objective)を設定し、99.9%アップタイムを目指す。業界では、NetflixのChaos Monkey(意図的に障害を起こすツール)が有名で、「壊して学ぶ」文化を広めました。
まとめとアドバイス
ネットワークとモニタリングをマスターすれば、Webエンジニアとして「フルスタック」以上の価値が出せます。雑学として、インターネットの父ティム・バーナーズ=リーはWebを無料公開しましたが、今の業界はCDNやクラウドで億単位のビジネスに。業界話: コロナ禍でリモートワークが増え、ネットワークのVPNトラブルが急増し、多くのエンジニアが「自宅ルーターの再起動」で解決したエピソードを共有。初心者はWireshark(パケットキャプチャツール)で遊んでみて。実務では、まずは自分のローカル環境でPrometheusを立ててみましょう。質問があればいつでもどうぞ!
Webエンジニアとしてキャリアを積む際、コードが書けるようになった次に突き当たる壁が**「ネットワーク」と「モニタリング」**です。
アプリケーションがどれだけ完璧でも、道(ネットワーク)が閉ざされていたり、健康状態(モニタリング)が分からなければ、ユーザーに価値を届けることはできません。
少しマニアックな雑学を交えながら、基本を押さえていきましょう。
1. ネットワークの基礎:パケットは「旅」をしている
Webエンジニアにとってのネットワークとは、単なる「つながり」ではなく、**OSI参照モデル(特にLayer 4のTCP/UDPとLayer 7のHTTP)**の世界です。
三方向ハンドシェイクの「マナー」
TCPで通信を始める際に行われる「SYN → SYN-ACK → ACK」のやり取り。これは、電話で言うところの「もしもし」「聞こえますか?」「はい、聞こえます」という確認作業です。
DNSは「インターネットの電話帳」
ドメイン名をIPアドレスに変換するDNS。
2. モニタリングの基礎:死活監視からオブザーバビリティへ
「動いているか?」を確認するのが監視(Monitoring)、「なぜ動かないのか?」を掘り下げるのが観測(Observability)です。
監視の「黄金の4指標」
GoogleのSRE(Site Reliability Engineering)が提唱した、絶対に外せない4つのデータがあります。
| 指標 |
内容 |
例え話 |
| レイテンシ |
応答にかかる時間 |
注文してから料理が出るまでの時間 |
| トラフィック |
システムへの要求量 |
お店の混雑具合(客数) |
| エラー |
失敗したリクエストの割合 |
注文ミスや料理の焦げ |
| サチュレーション |
リソースの余裕度 |
厨房のキャパや食材の在庫 |
「3つの柱」:メトリクス、ログ、トレース
最近のモニタリングでは、この3つを組み合わせて原因を特定します。
-
メトリクス: 「CPU使用率 80%」といった数値データ。
-
ログ: 「12:00にエラー発生」といった出来事の記録。
-
トレース: 複雑なマイクロサービスの中で、リクエストがどのサーバーをどう通ったかの足跡。
3. 現場で役立つ雑学・裏話
スラッシュドット効果(Slashdot Effect)
かつて、有名ニュースサイト「Slashdot」に掲載されると、アクセスが集中してサーバーが落ちる現象をこう呼びました。今でいう「X(Twitter)でのバズり」によるサーバーダウンと同じですが、当時はクラウド(AWS等)による自動スケーリングがなかったため、エンジニアは物理サーバーの前で祈るしかありませんでした。
「127.0.0.1」のタトゥー
ネットワークエンジニアの中には、自分自身(ローカルホスト)を指すIPアドレス 127.0.0.1 を「Home Sweet Home(我が家が一番)」という意味でタトゥーにしたり、Tシャツにしたりする人がいます。
200 OK と 404 Not Found
HTTPステータスコードは、Webエンジニアの共通言語です。
次のステップへの提案
ネットワークとモニタリングの概念が見えてきたところで、**「実際のツール(AWS CloudWatchやDatadogなど)で具体的に何を見るべきか」について、より詳しく解説しましょうか?あるいは、「HTTP/3がなぜ速いのか」**といった技術的な深掘りも可能です。
Webエンジニアとして働いていると、「なぜサイトが遅いのか」「障害が起きたときにどこを見ればいいのか」という場面に必ず遭遇します。そんなとき、ネットワークとモニタリングの知識が武器になります。
障害が起きると、開発者は「コードは問題ない、ネットワークのせいだ」と言い、ネットワークエンジニアは「ネットワークは正常、アプリのせいだ」と言います。この不毛な争いを避けるため、お互いの領域を少し理解しておくことが大切です。
雑学:2016年、DNSプロバイダーのDynがDDoS攻撃を受け、Twitter、Netflix、Spotifyなどが数時間ダウンしました。「DNSが落ちるとインターネット全体が止まる」と言われる理由です。
HTTPステータスコード418は「I'm a teapot(私はティーポットです)」という冗談のコードです。1998年のエイプリルフールジョークが正式なRFCになりました。Googleで検索すると実際に遊べます。
Googleは障害を「学習の機会」と捉え、blameless postmortem(責任を問わない振り返り)を推奨しています。人を責めるのではなく、システムを改善する文化です。
ネットワークとモニタリングは、一見地味ですが、安定したサービスを提供するための生命線です。ユーザーは「普通に動く」ことを当たり前だと思っていますが、その裏では多くのエンジニアが24時間365日、システムを見守っています。
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