とても相性の良いテーマですね。
エドガー・ケイシー/自動筆記(オートマティズム)/論点のズラシ方は、
実は「オカルト」「心理学」「営業・政治・コンサル」の三つの業界で共通の技法として扱われてきました。
以下、信じる/否定するを超えて「どう機能していたか」という視点で解説します。
1. エドガー・ケイシーとは何者だったのか(雑学つき)
エドガー・ケイシー(1877–1945)は
「眠れる預言者」と呼ばれたアメリカの民間霊能者です。
彼の特徴
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自分が眠っている間に語る
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医療・前世・アトランティスなどを語る
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起きると内容をほぼ覚えていない
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記録係が速記(←ここ重要)
業界話:なぜ彼は「危険視」されなかったのか
当時のアメリカは
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心霊研究協会
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催眠療法
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自動書記(オートマティズム)
が学術と民間の境界線にありました。
👉 ケイシーは
「私は何も主張していない。ただ眠って話しているだけ」
という立場を取ったため、
宗教裁判にも科学的否定にも真正面から当たらなかった。
これは後述する論点のズラし方の完成形です。
2. 自動筆記(オートマティズム)とは何か
定義(心理学寄り)
意識的コントロールを最小化した状態で、言語や動作が出現する現象
有名な使用者:
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ユング(患者の夢・象徴の記録)
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シュルレアリスト(ブルトン)
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心霊主義者(19世紀)
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現代では即興作家・作詞家
雑学:脳科学的に見ると
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前頭前野(自己検閲)が弱まる
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デフォルト・モード・ネットワークが活性化
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記憶・連想・象徴が「未編集」で出る
つまり
「本当か嘘か」ではなく「編集されていない」
3. ケイシーが使った“論点のズラし方”
ここが核心です。
① 主張の主体を消す
❌「私はこう思う」
⭕「この状態では、こう語られる」
→ 批判されても
「私個人の意見ではありません」
これは現代で言えば:
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AIが言った
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データが示している
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現場の声としては…
② 真偽の軸をすり替える
❌「それは事実か?」
⭕「役に立ったか?」
ケイシーの医療リーディングは
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科学的根拠は怪しい
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しかし一部の患者は改善した
👉 批判されると
「効果があった人もいる」
という実用軸へ移動。
これは今の
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民間療法
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ウェルネス業界
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コーチング
でも常套手段。
③ 神秘を「比喩」に退避させる
アトランティス?前世?
→
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象徴として読む
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心理的物語として読む
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個人の意味づけとして読む
反論が来たら抽象度を上げる
これを業界では
👉 「解釈可能性を開いたままにする」
と言います。
4. 自動筆記 × 論点ズラしの現代的応用
① コンサル・営業
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「私の意見ではなく、顧客の声です」
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「データがこう示しています」
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「仮説として置いてみると…」
👉 責任の所在をぼかしつつ、話を前に進める
② 政治・メディア
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「専門家の間では…」
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「一部ではこう言われている」
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「SNS上では…」
👉 発言者は安全圏、論点は移動
③ クリエイター・作家
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無意識から出したものは「作品」
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作者の意図を問われたら
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「解釈は自由です」
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👉 自動筆記的立場の完全勝利
5. 注意点:ズラしすぎると何が起きるか
業界の失敗談
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スピリチュアル詐欺
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陰謀論ビジネス
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責任回避型マネジメント
共通点:
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主体が永遠に現れない
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検証不能
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反論不能
👉
ズラしは技術であって、免罪符ではない
6. まとめ(一文で)
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ケイシーは「真偽」を語らず「状態」を演出した
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自動筆記は無意識の編集前出力
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論点ズラしは責任と抽象度の操作
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現代でも最前線のコミュニケーション技術
もし次に進むなら
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ユングと自動筆記の違い
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AIの発話は現代のオートマティズムか?
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論点ズラしを見抜くチェックリスト
なども、かなり面白い話になります
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