2026年10月22日木曜日

夢の遊眠社(野田秀樹)は、どうでしたっけ?、

夢の遊眠社(野田秀樹)は、どうでしたっけ?、

いい流れですね😊 鴻上尚史さんの第三舞台と並べて語られることが多いのが、野田秀樹さんの**「夢の遊眠社」**です。

ただ、両者は同じ「小劇場ブーム」の中心にいましたが、方向性はかなり違いました。

夢の遊眠社とは?

「夢の遊眠社」は、野田秀樹さんが東京大学在学中の1976年に結成した劇団です。東大演劇研究会を母体として始まり、1980年代の小劇場演劇を代表する存在になりました。代表作には『走れメルス』『少年狩り』『野獣降臨(のけものきたりて)』などがあります。

特徴を一言で言うなら、

「言葉がジェット機のように飛び交い、身体が舞台を駆け回る、知的で狂騒的な演劇」

です。


第三舞台(鴻上尚史)との違い

ざっくり言うと、

鴻上尚史・第三舞台

→ 若者の日常、コミュニケーション、時代感覚

野田秀樹・夢の遊眠社

→ 言葉遊び、神話、歴史、夢、アイデンティティ

という違いがあります。

第三舞台が、

「今、この時代をどう生きるか」

を描いたとすれば、

野田秀樹さんは、

「そもそも人間とは何者なのか」

というところまで飛んでいく感じです。


① 最大の特徴「言葉の洪水」

野田演劇と言えば、まず言葉遊びです。

例えば、

同じ音の言葉を変化させたり、

一つの言葉から別の意味へ飛躍したりします。

普通の芝居では、

人物A 「悲しい。」

人物B 「なぜ?」

という流れですが、

野田作品では、

「悲しい」 ↓ 「かなしい」 ↓ 「愛しい」 ↓ 「生きるとは何か」

というように、言葉が連想ゲームのように展開します。

そのため観客は、

「理解する」

というより、

「言葉の波に乗る」

ような感覚になります。


② 身体性がすごい

野田作品では俳優が、

  • 走る
  • 飛ぶ
  • 転ぶ
  • 歌う
  • 踊る

という激しい動きをします。

これは映画ではなかなか再現できません。

舞台では、

「俳優の肉体そのものが映像になる」

という考え方があります。

野田さん自身も俳優として舞台に立つことで、言葉と身体の結びつきを追求してきました。


③ 物語が迷宮のよう

夢の遊眠社の芝居は、

「分かりやすい一本道」

ではありません。

例えば、

昔話 ↓ 神話 ↓ 現代社会 ↓ 歴史上の事件

が一つの舞台上で混ざります。

観客は、

「これは何の話だ?」

と思いながら進みます。

しかし最後に、

「ああ、最初の話と全部つながっていたのか!」

となる。

これは推理小説にも似た快感があります。


業界雑学①

小劇場なのに巨大化した劇団

普通、小劇場というと、

小さい劇場で少人数の観客に向けて行うイメージがあります。

しかし夢の遊眠社は人気が拡大し、大規模な会場でも公演を行いました。1986年には『石舞台星七変化』三部作で国立代々木競技場第一体育館を使用するなど、小劇場の枠を超えた展開を見せました。

これは当時としてはかなり異例でした。

「地下演劇」が、若者文化の中心へ出てきた瞬間です。


業界雑学②

「ゼロ年代の演劇」にも影響

野田秀樹さんの影響は、その後の演劇界にも大きく、

  • 言葉を高速化する
  • 古典を現代風に作り変える
  • 演劇と社会問題を結びつける

という流れにつながりました。

後のNODA・MAPでは、劇団員を固定する方式ではなく、公演ごとに俳優を集めるプロデュース方式へ移行しました。


業界雑学③

「古典を壊して再生する」

野田秀樹さんの面白いところは、

古典をそのまま保存しないことです。

例えば、

シェイクスピア ↓ 野田流に変換

坂口安吾 ↓ 野田流に再構築

という方法を取ります。

これは音楽で言えば、

クラシック曲をジャズ風にアレンジする

ようなものです。

原作への敬意がありながら、自分の時代の表現に変えるのです。


夢の遊眠社と第三舞台を比較すると…

夢の遊眠社 第三舞台
中心人物 野田秀樹 鴻上尚史
特徴 言葉・身体・幻想 会話・若者文化
印象 疾走する夢 高速な会話劇
テーマ 人間・歴史・神話 孤独・社会・コミュニケーション
観劇感 ジェットコースター 知的なライブ感

面白い見方をすると😊

鴻上尚史さんが、

「人間同士がなぜ分かり合えないのか」

を舞台化した人だとすると、

野田秀樹さんは、

「人間とは何なのか、言葉とは何なのか」

を舞台上で実験した人、と言えるかもしれません。

両者とも「言葉」を非常に大切にしますが、

  • 鴻上さん → 人と人をつなぐ言葉
  • 野田さん → 世界そのものを作り変える言葉

という違いがあります。

1980年代の日本演劇が面白かった理由は、こうした「言葉の格闘技」のような舞台が次々に登場した時代だったからですね😊

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